三重県道722号礫浦押淵線

三重県道722号礫浦押淵線

三重県道722号礫浦押淵線（みえけんどう722ごう さざらうらおしぶちせん）は、三重県度会郡南伊勢町を走る一般県道で、礫浦と押渕を結んでいます。この道は、地域の交通基盤を支える重要な路線であり、国道260号と重複する区間が多く含まれています。

概要

南伊勢町内で、礫浦から押渕までを結ぶこの県道の総延長は約6,265メートルに及びます。起点は礫浦地区にある礫八幡神社の近くで、終点は押淅の国道260号上に位置しています。特に、国道260号との接続部分は地域交通の要所となっており、日常の交通や地域の行事などに欠かせない存在です。

歴史

この道路の始まりは、地域住民の要請から生まれました。礫浦地区は漁業集落であり、海路は発展していたものの、陸上の交通網は未整備でした。明治時代中頃、地域住民は陸路の整備を目指し、道路開設のための協議を重ねました。その結果、1901年に道路の開設計画が策定され、1902年には通行が可能となりました。さらに、迫間浦地区の住民も、明治時代後期から同様の問題を抱えていましたが、御木本幸吉氏の寄付により、迫間トンネルが1933年に完成しました。

年表

• - 1901年（明治34年）: 道路開設計画が住民によって策定される。
• - 1902年（明治35年）: 道路が開通。
• - 1933年（昭和8年）: 迫間隧道が開通。
• - 1961年-1962年（昭和36-37年）: 道路の拡幅・舗装工事が実施される。
• - 1974年（昭和49年）: 新しい迫間トンネルが開通。

路線状況

迫間隧道

迫間浦地区の陸上交通の改善は長年の課題でしたが、資金不足で進展が滞っていました。そうした中で、御木本幸吉氏が真珠養殖場を設立する際の寄付金を資金源に、三重県議会の小切間重三郎議員の働きかけでトンネルが建設されました。1926年に起工し、1933年に開通したこの隧道は、当時の地域住民にとって大きな助けとなりました。

隧道の長さは220メートル、幅5.5メートル、高さ4.0メートルとされ、竣工を記念する碑も現地に設置されています。なお、1974年には新しい迫間トンネルが開通し、現在はそちらが主要な交通路として利用されています。

重複区間

この県道は国道260号と重複している区間も多く、特に地域住民にとって重要な交通路となっています。具体的には、度会郡南伊勢町相賀浦から押淅までの区間が該当します。

地理的な特徴

この県道は、漁業集落である礫浦を出発し、相賀大池に沿って進んでいきます。最終的に国道260号に接続するため、地域の主要な交通路としての役割を果たしています。

利用施設

沿線にはいくつかの重要な施設があります。伊勢警察署南海警察官駐在所や、キャンプ場である相賀ニワ浜キャンプ場、また地元の子供たちが通う南伊勢町立南海小学校などがあります。これらの施設は、地域住民の生活を支える大切な場所となっています。

まとめ

三重県道722号礫浦押淵線は、地域の歴史を背景に持つ重要な交通路です。周辺地域の発展だけでなく、交通の便宜を図るための努力が続けられています。今後、さらなる整備や交通の発展が期待される道路と言えるでしょう。

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