三重県道750号阿児磯部鳥羽線

三重県道750号阿児磯部鳥羽線：伊勢志摩の海岸線を結ぶ道

三重県道750号阿児磯部鳥羽線は、三重県志摩市阿児町を起点とし、鳥羽市に至る一般県道です。志摩半島の東部、風光明媚な海岸線沿いを走るこの道は、かつて地域住民にとって重要な交通路でした。

路線概要

起点: 志摩市阿児町国府
終点: 鳥羽市鳥羽四丁目（安楽島大橋北交差点）
総延長: 34.0319 km
実延長: 26.1134 km

路線状況

路線の大部分は、快適なドライブを楽しめる道幅が確保されていますが、一部区間には狭隘な箇所が残っています。これは、リアス式海岸特有の複雑な地形が影響しているため、拡幅工事が困難であることが理由です。全線開通したパールロードの開通により、沿線地域の陸の孤島状態は解消されました。

重複区間

県道61号、16号、47号と重複する区間があります。

主要構造物

安楽島大橋: 加茂川河口に架かる橋で、鳥羽市内の主要な道路を結んでいます。

歴史

この県道は、いくつかの路線が統合・再編されて成立しました。

1959年：三重県道425号的矢大王線、三重県道727号国府磯部線が認定
1968年：三重県道750号畔蛸浦村鳥羽港線が認定
1994年：これらの路線を統合し、「三重県道750号阿児磯部鳥羽線」として新たに認定
2021年：志摩市内の区間が他の県道との重複区間となる

かつての県道船

かつて、的矢湾には道路が通じていない区間が存在し、志摩市磯部町三ヶ所と的矢の間を結ぶ「県道船」が運航されていました。この航路は、地域住民の生活を支える重要な足であり、特に通学手段として利用されていました。

県道船の歴史

1921年：地元住民による人力の渡船が開始
1946年：動力船「まとや丸」が導入
1959年：的矢小学校への通学渡船が県道として認定
2021年：県道船としての運航は廃止され、志摩市運航船として継承

まとや丸

5代目「まとや丸」は、200馬力級のエンジンを搭載した旅客船でした。2021年3月末に県道船としての役目を終えました。

運航状況

かつては1日に何度も運航され、地域住民の足として活躍していました。しかし、過疎化や道路整備の進展により、利用者は減少傾向にありました。

現在の状況

県道船は廃止されましたが、志摩市によって運航が引き継がれ、現在も地域住民の交通手段として利用されています。ただし、運航便数は大幅に減便されています。

沿線情報

伊勢志摩エバーグレイズ
近鉄志摩線穴川駅
相差旅館街
千鳥が浜海水浴場

難読地名

沿線には、読み方の難しい地名がいくつか存在します。

阿児町国府（あごちょうこう）
畔蛸町（あだこちょう）
相差町（おうさつちょう）
国崎町（くざきちょう）
石鏡町（いじかちょう）
安楽島町（あらしまちょう）
大明東町（おあきひがしまち）
* 大明西町（おあきにしまち）

三重県道750号阿児磯部鳥羽線は、美しい自然と歴史が息づく伊勢志摩の魅力を満喫できるルートです。ドライブやツーリングで、この道を訪れてみてはいかがでしょうか。

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