上ノ橋 (福島県)

上ノ橋について

上ノ橋（かみのはし）は、福島県本宮市にある阿武隈川を横断する福島県道73号二本松金屋線の道路橋です。この橋は全長159.0メートル、幅員6.0メートルで、2019年度に竣工しました。この橋は本宮市中心市街地の南側に位置しており、重要な交通路として多くの車両や歩行者に利用されています。

構造と機能

上ノ橋は、阿武隈川の流れを渡るために建設されています。西側の起点は本宮市仁井田字村山にあり、橋を渡って西へ進むと福島県道8号本宮熱海線と結びつき、その先の国道4号へと至ります。一方で東側の起点は糠沢字赤木に位置し、県道の旧道となる部分に接しています。橋は2車線の車道を備えており、上下線それぞれに歩行者用の歩道も整備されています。この点は、歩行者の安全確保に寄与しており、利用者にとっても安心感を提供しています。

ただし、橋の管理文書において「上ノ橋」と記載されることが多いですが、本宮市の文書や旧橋梁の銘板等では「上の橋」といった表記が見られることもあり、地域によって呼称が異なる場合があります。

歴史的背景

上ノ橋の歴史は1888年に遡ります。この年には舟橋が設置され、その後1908年10月に木製の橋として初めて落成しました。当初の橋は131メートルという長さを持ちましたが、その後何度かの改修を経て1911年には再度架替えが行われ、124メートルに短縮されました。しかし、1913年の水害で流出してしまいます。

その後1930年にはRC桁橋と土橋を組み合わせた構造に架替えられましたが、この橋も1941年に流出し、63.9メートルの木造仮橋が設けられました。1955年には国と県が共同で新たな橋梁の着工に踏み切り、1957年に128.95メートルの先代橋梁が完成しました。

この先代の橋は5径間の単純活荷重合成鈑桁橋であり、福島県道8号本宮熱海線と接続する位置にありました。開通当初、福島県の予算を基に4100万円あまりの工費で建設されたこの橋は、その後も長い間利用されてきましたが、旧橋梁の狭さと歩道の未整備が問題となり、利用者の安全性が懸念されるようになりました。

最新の橋と周辺環境

2019年11月8日、現在の上ノ橋が開通しました。この新たな橋は、阿武隈川の堤防改修工事に対応できる高さが確保され、橋台の一部が河川敷に張り出す形でもないように設計されています。これにより、増水時に通行が制限される事態を回避し、より多くの交通に対応できる供用を実現しました。

新橋の開通に向けては、事業が進められる中、令和元年東日本台風の影響で多くの災害ごみが発生し、これに伴う交通の確保のため、旧橋梁も一時的に閉鎖せずに供用されていました。古い橋の撤去作業は2019年12月5日から開始されました。

周辺には市営住宅やゴルフ場があり、地域の生活とレクリエーションの重要な要素を担っています。上ノ橋は、ただの交通の要所としてだけでなく、本宮市の生活に深く根ざす存在といえるでしょう。

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