上党郡

上党郡（じょうとうぐん）

上党郡は、秦代から隋代にかけて現在の中国・山西省に設置された郡です。行政範囲は時代によって変化しましたが、おおむね現在の長治市を中心とする山西省南東部にあたります。隋代の大業年間以降や唐代にも同名の郡が設置されましたが、これらは潞州を改称したものであり、管轄区域は大きく異なります。

歴史

上党の地名は古く、春秋時代の晋の地名として登場します。「上党」とは山上の高地を意味します。戦国時代になると、晋が趙・魏・韓によって分割され、それぞれが上党地区を領有しました。

秦朝が中国を統一した前221年、全国に36郡を設置した際に、その一つとして上党郡が設けられました。郡治は長子県に置かれ、前漢代には14県を治めました。これらの県は、長子県、屯留県、余吾県、銅鞮県、沾県、涅氏県、襄垣県、壷関県、泫氏県、高都県、潞県、猗氏県、陽阿県、穀遠県です。前110年（元封元年）に州が置かれると、并州に属しました。『漢書』によれば、前漢末には73,798戸、337,766人がいました。後漢になると、13県、26,222戸、127,430人を管轄しました。

三国時代、上党郡の郡治は北東の壷口関（現在の長治市街、壷関県とは別の場所）に移転しました。晋代になると、国内の混乱から人口が激減し、10県、12,000戸の管轄となり、郡治もさらに北東の潞県（現在の長治市潞城区北東部）に移転しました。以降も上党郡は歴代王朝によって沿襲されました。北魏の時代には郡治が壷関に移転し、隋代には壷関県が廃止されて上党県に編入され、郡治も上党県（現在の長治市上党区）に移転し、10県、125,057戸を管轄しました。

隋代に上党郡は廃止され、管轄県は潞州の直轄となりました。

上党郡は、その名の通り山地の要衝であり、各王朝にとって重要な拠点でした。郡治の変遷は、時代の変化や社会情勢を反映しており、その歴史を辿ることで、当時の政治・経済・文化を知ることができます。

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