長子県

長子県（ちょうし-けん）は、中華人民共和国山西省長治市に位置する県であり、その歴史は古代に遡ります。

歴史

長子県は、秦代に設置され上党郡の郡治が置かれた場所です。重要な拠点として機能していました。386年（太安2年）には、五胡十六国時代の混乱期に、慕容泓（ぼようこう）がこの地で帝位に就き、西燕（せいえん）を建国するという歴史的な出来事がありました。この事実は、長子県が古代中国において政治的にも重要な場所であったことを示しています。

南北朝時代になると、北斉（ほくせい）によって長子県は一旦廃止されました。しかし、隋朝（ずいちょう）が成立すると、589年（開皇9年）に寄氏県（きし-けん）として再設置され、その行政区画が復活しました。その後、598年（開皇18年）には長子県と改称され、現在に至るまでこの名称が用いられています。

20世紀後半には、行政区画の再編が行われました。1958年には、屯留県（とんりゅう-けん）と統合され、屯長県（とんちょう-けん）となりました。しかし、この統合は短期間で終わり、同年に廃止され、長治市に編入されました。その後、1960年に屯長県が再設置されましたが、翌年には屯留県と長子県に分割され、それぞれが独立した行政区画として再出発し、現在の形となりました。

行政区画

現在の長子県は、以下の行政区画によって構成されています。

街道: 王峪街道（おうよく-がいどう）、横水街道（おうすい-がいどう）
鎮: 丹朱鎮（たんしゅ-ちん）、鮑店鎮（ほうてん-ちん）、石哲鎮（せきてつ-ちん）、大堡頭鎮（だいほとう-ちん）、慈林鎮（じりん-ちん）、色頭鎮（しきとう-ちん）、南漳鎮（なんしょう-ちん）
郷: 嵐水郷（らんすい-きょう）、碾張郷（でんちょう-きょう）、常張郷（じょうちょう-きょう）、南陳郷（なみじん-きょう）、宋村郷（そうそん-きょう）

これらの区画は、それぞれが独自の文化や産業を持ち、長子県全体の多様性を支えています。

名所・旧跡

長子県には、数多くの歴史的な名所や旧跡が残されており、中国の歴史と文化を深く感じることができます。特に、以下の文化財は全国重点文物保護単位に指定されており、重要な観光資源となっています。

法興寺（ほうこうじ）
崇慶寺（すうけいじ）
天王寺（てんのうじ）
小張碧雲寺（しょうちょうへきうんじ）
布村玉皇廟（ふそんぎょくこうびょう）
韓坊尭王廟（かんぼうぎょうおうびょう）
長子崔府君廟（ちょうしさいふくんびょう）
義合三教堂（ぎごうさんきょうどう）
下霍護国霊貺王廟（かかくごこくれいこうおうびょう）
前万戸湯王廟（ぜんばんごとうおうびょう）
中漳伏羲廟（ちゅうしょうふっきびょう）
* 大中漢三嵕廟（だいちゅうかんさんすうびょう）

これらの寺院や廟は、それぞれが独特の建築様式や歴史的背景を持ち、訪れる人々に深い感銘を与えます。長子県は、これらの文化財を通じて、古代からの歴史と文化を今に伝える貴重な場所です。

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