上原明

上原明の生涯と業績

上原明（うえはら あきら）は、1941年4月5日に東京都港区麻布で生まれました。実業家として、大正製薬株式会社の相談役を務めています。彼の出自は、住友銀行の頭取であった堀田庄三の次男という名門にあります。

学歴と初期のキャリア

上原氏は、成蹊小学校から成蹊中学校、成蹊高等学校へと進み、その後、慶應義塾大学経済学部に進学しました。さらに、アメリカのミズーリバレーカレッジとダートマス大学経営学科大学院にも留学し、国際的な視野を広げました。帰国後、慶應義塾大学を卒業し、1966年に日本電気株式会社（NEC）に入社しました。

大正製薬への転身

1977年、上原氏は人生の転機を迎えます。大正製薬の社長であった上原昭二の長女、正子氏と結婚したことをきっかけに、大正製薬に入社しました。当初は取締役総務部長として迎えられましたが、その後のキャリアは目覚ましく、1978年には専務取締役、1980年には副社長、そして1982年には社長に就任しました。

大正製薬での改革

上原氏の社長就任は、大正製薬にとって大きな変革期となりました。それまで三菱銀行を主力銀行としていた同社は、上原氏の縁談を機に住友銀行へと取引銀行を切り替えました。また、社内の情報関連機器も日本IBM製品から日本電気製品へと一斉に切り替えられるなど、経営戦略の転換を大胆に進めました。

経営者としての手腕

上原氏は、大正製薬の経営者として長きにわたり手腕を発揮しました。2009年には代表取締役会長兼社長、2011年には大正製薬ホールディングスの代表取締役会長兼社長に就任し、グループ全体の経営を統括しました。その後も、大正製薬の代表取締役会長、大正製薬ホールディングスの代表取締役社長を歴任し、2024年7月に大正製薬相談役となりました。

その他の活動

上原氏は、大正製薬での活動に加え、2017年9月には学校法人城西大学の理事長に就任し、教育分野にも貢献しました。2023年12月に理事長を退任するまで、大学運営にも尽力しました。また、2002年から2007年まで日本電気株式会社（NEC）の取締役も務めるなど、多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。

家族と趣味

上原氏の兄は、住友銀行の副頭取やモルガン・スタンレー証券の会長を務めた堀田健介です。また、上原氏の息子である上原茂は大正製薬の代表取締役社長、三男の上原健も同社の代表取締役副社長を務めており、一族で大正製薬の経営に携わっています。上原氏の趣味は映画鑑賞と演劇鑑賞であり、多忙な日々の中でも文化的な活動を楽しんでいます。

経歴詳細

1966年3月：慶應義塾大学経済学部卒業
1966年4月：日本電気株式会社（NEC）入社
1977年3月：日本電気株式会社（NEC）退社
1977年4月：大正製薬株式会社入社、総務部長
1977年6月：同社 取締役
1978年6月：同社 専務取締役
1980年6月：同社 取締役副社長
1981年6月：同社 代表取締役副社長
1982年6月：同社 代表取締役社長
2009年4月：同社 代表取締役会長兼社長
2011年10月：大正製薬ホールディングス 代表取締役会長兼社長
2012年6月：大正製薬 代表取締役会長
2013年6月：大正製薬ホールディングス 代表取締役社長
2015年6月：大正製薬 取締役会長
2017年9月：学校法人城西大学理事長に就任
2023年12月：学校法人城西大学理事長を退任
2024年7月：大正製薬ホールディングス代表取締役社長および大正製薬取締役会長を退任、大正製薬相談役に就任

参考文献

菊地浩之『日本の15大同族企業』平凡社新書、2010年3月。ISBN 978-4582855166。

上原明は、日本の経済界と教育界に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。

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