上山徹郎

上山 徹郎（うえやま てつろう）について



上山徹郎は1973年2月15日に生まれ、埼玉県で育った日本の漫画家である。彼は同じく漫画家である実兄、上山道郎とともに、漫画界でその名を知られるようになった。彼の漫画家としての道のりは、特筆すべきいくつかの出来事に彩られている。

来歴



中学時代、上山は雑誌『宇宙船』でハガキ職人として活動し、仮面ライダーや超人機メタルダーのイラストを本名で投稿していた。20歳を過ぎると『ムー』にもイラストを提供するようになる。彼の正式な漫画家デビューは1993年のことで、第25回小学館新人コミック大賞児童部門で『機動剣士 ガンボーグVZ』が入選したことによる。この年、兄の道郎も同大賞に入選しており、兄弟そろっての受賞は当時大きな話題となった。

以降、1994年から1995年には『月刊コロコロコミック』で『電人ファウスト』を連載し、1996年から99年まで同誌および『別冊コロコロコミック』にて『LAMPO-THE HYPERSONIC BOY-』を連載した。2002年から2005年には『隻眼獣ミツヨシ』を『月刊コミック電撃大王』で連載するが、こちらは未完となってしまった。しかし、2008年から『JC.COM』で『ミツヨシ完結編』として続編が始まっている。

2017年にはMANGATRIX合同会社によるクラウドファンディングを利用し、『電人ファウスト』と『LAMPO』の復刊を行い、一般販売もされることとなった。さらに、2019年にはこの復刊に伴う原画展が開催され、ファンとの交流が深まる機会となった。

作風



彼の漫画は遅筆で知られており、特に『LAMPO』の連載時には全ページにスクリーントーンが貼られていない状態で掲載されたこともある。さらに『隻眼獣ミツヨシ』ではいくつかのコマが下書きのままで掲載された。このような遅延は時折、単行本発刊においても見られ、雑誌を休載して加筆修正を行っていたこともある。彼の作品はすべてアクション漫画で、特に銃撃や格闘、剣撃シーンが印象的である。

また、作品に登場するキャラクターには高度なロボットがしばしば見受けられ、『リングにかけろ』や『ドラえもん』から影響を受けたとも語っている。彼は男性キャラクターを細身に、女性キャラクターを豊満に描くことが特徴で、時にはその体格から異論が浮上することもあるが、アニメ『RD 潜脳調査室』のキャラクターデザインに起用された際は、「新たな美的センスが加わる」と高く評価された。

評価



業界内でも高い評価を受ける彼の仕事ぶりは、かつて中平正彦のアシスタントをしていた経験から来ているとされ、徹底した品質へのこだわりが「天才」と評されたこともある。しかし一方で、彼の作品は雑誌によって評価が分かれることもあり、子供向けの読者に対して大人びているという批判も受けている。業界では、「知る人ぞ知る」作家として存在感を示しているが、同時に「不遇の作家」という印象もぬぐえない。

作品リスト


1995年、小学館、全2巻
2000年、小学館、全1巻
2017年、MANGATRIX、全1巻（プレミアム版とスタンダード版）
1997-2000年、小学館、全4巻
2017年、MANGATRIX、プレミアム版全2巻。

彼の独自の作風とこだわりをもった作品づくりが、多くのファンに支持され続けていることは間違いない。

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