上山満兼

上山満兼の生涯と政治的な影響

上山満兼（かみのやま みつかね、年不詳 - 天正8年（1580年））は、安土桃山時代の武将であり、上山城の城主として知られています。彼は天童氏の分族である上山氏に属し、初名は武衛義政でした。この背景から、彼は里見満兼とも呼ばれることがあります。彼の父は武衛義節で、武衛という名は彼の一族が代々使用してきたものです。満兼はその生涯を通じてさまざまな勢力と関わりを持ち、特に最上氏や伊達氏との複雑な関係が彼の運命を大きく左右しました。

家族と結びつき

満兼は最上義守の妹を妻に迎えることで、最上氏とのほぼ親族関係を築きました。彼はまた、祖父の時代から続く天童氏との連携を強化することにも努めました。これにより、内政の安定を図るとともに、家族を通じた縁組が彼の政治的な基盤となりました。しかし、満兼の家族の歴史は彼自身の置かれた状況を単純なものにすることはありませんでした。

伊達氏との緊張

満兼の曾祖父である義房の時代から、上山氏は伊達氏と対立していました。しかし、彼は政治的な配慮から伊達との関係改善を試みました。この期間、最上氏との同盟関係もあり、彼は新たな局面を迎えることとなります。天正最上の乱においては、最初は最上義光に味方しましたが、伊達軍が樽下に進軍すると翻意し、義光方を裏切る結果になりました。これが以後の彼の評判や立場に大きな影響を与えることとなります。

戦争と内紛

その後、天正6年（1578年）には、満兼は伊達輝宗と連携し、最上義光に対抗する軍を編成しました。この戦いにより最上方は甚大な損害を被り、満兼は義光から警戒される存在となりました。満兼は天童氏の一族として、引き続き最上八楯に協力しつつも、義光に対しての裏切りを続ける危うさを抱えながら、自らの領国を守るために手を尽くしていました。

最期とその後

天正8年（1580年）、最上家臣である里見義近・里見民部父子の調略を受け、内通者となる事件が発生します。里見民部は満兼の反旗を翻し、内部から攻撃を行って満兼を討ち取ることとなります。この結果、満兼は戦死し、その地位を失ったことで上山城には里見民部が新しい城主として入ることが決まりました。形式上、上山里見氏は存続するものの、事実上の権力を持たない状態に陥ります。

以後、里見民部は最上義康の謀殺に関与したとして処刑され、一方で満兼の息子である里見元勝は、父の仇である民部の一族に対し復讐を果たし、最終的には伊達家に仕官しました。こうして、満兼の死は彼の一族に影を落とし、彼の政治的な影響は十代にわたって続くことになります。このように、上山満兼の生涯は、戦国時代の武士たちの複雑な人間関係と政治的駆け引きを象徴するものです。

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