上杉憲定

上杉憲定（うえすぎ のりさだ）は、室町時代前期に活躍した守護大名であり、関東管領、上野国・伊豆国守護を歴任しました。山内上杉家6代当主として、その名を歴史に刻んでいます。

生い立ちと家督相続

天授元年/永和元年（1375年）、上杉憲方の子として生を受けました。応永元年（1394年）に父が亡くなると、家督を継承し、山内上杉家の当主となりました。

応永の乱と幕府との関係

応永6年（1399年）に勃発した応永の乱では、3代鎌倉公方・足利満兼が大内義弘に呼応しようとするのを押し止めました。一方で、今川泰範と共に、泰範の叔父である了俊の助命嘆願を行うなど、和平にも尽力しました。応永12年（1405年）には関東管領に就任し、満兼とその子・持氏を補佐する立場となりました。憲定は、満兼の時代から既に悪化していた室町幕府との関係改善に尽力しましたが、応永17年（1410年）に持氏の叔父・満隆による謀反騒動が発生します。この騒動の責任を取る形で、翌応永18年（1411年）に管領職を上杉氏憲（禅秀）に譲りました。この騒動の背景には、憲定に反発する勢力が満隆と結びついていたという説があります。

突然の死

応永19年（1413年）、憲定は38歳という若さでこの世を去りました。跡は長男の憲基が継ぎました。憲定の死は、関東の政治情勢に大きな影響を与えたと考えられています。

上杉憲定は、激動の室町時代前期において、関東の安定と幕府との関係改善に尽力した人物として評価されています。しかし、満隆の乱における責任など、課題も残しました。彼の生涯は、室町時代の政治史を研究する上で重要な意味を持っています。

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