上杉憲方

上杉憲方（うえすぎ のりまさ/のりかた）

上杉憲方は、南北朝時代から室町時代初期にかけて活躍した武将であり、守護大名です。関東管領を務め、山内上杉家5代当主として知られています。

生涯

建武2年（1335年）に上杉憲顕の子として生まれました。天授2年/永和2年（1376年）に兄である能憲から家督を譲られ、天授4年/永和4年（1378年）には上野守護職と所領も譲り受けました。能憲の死後、関東管領には憲春が任じられましたが、山内上杉家の家督は憲方が継承しました。

天授5年/康暦元年（1379年）には、鎌倉公方足利氏満に対する諌死として憲春が自害。憲方は関東軍の大将として派遣されますが、上洛せずに伊豆三島に留まりました。同年4月には関東管領に任じられ、上野守護職も安堵されています。

弘和2年/永徳2年（1382年）に一度管領職を退きますが、すぐに再任。武将としての才能を発揮し、足利氏満を補佐しながら小山義政・若犬丸父子の反乱鎮圧に貢献しました（小山氏の乱）。これらの功績により、上野、武蔵、伊豆、安房、下野の守護職を与えられました。

元中9年/明徳3年（1392年）に老齢と病気を理由に管領職を退きましたが、その後も関東管領として在職していたとする説もあります。

応永元年（1394年）に60歳で死去。墓所は自身が鎌倉に建立した明月院にあります。また、極楽寺駅付近には、上杉憲方夫妻の墓と伝えられる七層塔と五層塔があり、付近には逆修塔と伝えられる宝篋印塔も存在します。

上杉憲方は、その武勇と政治手腕によって、激動の時代を生き抜き、関東地方の安定に大きく貢献した人物として評価されています。

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