上杉氏定

上杉 氏定（うえすぎ うじさだ）

上杉氏定は、室町時代前期に活躍した武士で、扇谷上杉家の当主として知られています。彼は、小山田上杉家の上杉頼顕の子として生まれました。その名の「氏」は、鎌倉公方である足利氏満から授けられたものと考えられています。

略歴

氏定は、父の兄である上杉顕定の養子となり、家族の地位を引き継ぎました。彼は鎌倉公方の足利氏満、満兼、持氏の三代にわたり仕官し、武士としての地位を確立しました。氏定の人生において、大きな出来事の一つは応永23年（1416年）に発生した上杉禅秀の乱です。この乱は、彼にとって大きな試練となりました。

乱の初期段階では、持氏方は劣勢にありましたが、氏定は自ら出陣し、戦局を有利に進めるために尽力しました。しかし、彼は上杉氏憲（禅秀）に率いられた反乱軍との戦闘で敗北し、重傷を負いました。この戦いの後、鎌倉を去ることになった持氏らと共に氏定も移動する予定でしたが、彼はその道の途中で自らの命を絶つことを決意しました。自刃は同年の10月8日、藤沢道場にて行われました。

氏定の死後、家督は嫡男の持定が引き継ぎましたが、持定はすぐに亡くなってしまい、その後は次男の持朝が家を支えました。氏定の家族において、重要なつながりとして江戸時代中期の第4代米沢藩主である上杉綱憲が挙げられます。彼は氏定の娘が今川氏に嫁いだことにより、その末裔となっています。この系譜は、足利氏満から始まり、氏定、今川範政室、範忠、義忠、氏親、義元、氏真、範以、吉良義弥室を経て、最終的に上杉綱憲へと続いていきます。

このように、上杉氏定の人生やその後の家系は、日本の武士や歴史に深く根ざした物語を形成しています。氏定は、彼の時代を生きる中で数々の試練や変化を経験し、最終的には自らの信念を貫く道を選びました。彼の存在は、後の時代においても語り継がれていくことでしょう。

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