上杉長之

上杉長之

上杉長之（うえすぎ ながゆき）は、日本の歴史における江戸時代前期に活躍した人物です。特に江戸幕府において、高家旗本という特別な役職を務めました。

彼の誕生は、正保元年（西暦1644年）のことです。父は上杉長貞と記録されています。長之は、この上杉家の嫡男として生まれました。

少年期に入った明暦2年（西暦1656年）の12月21日、長之は当時の江戸幕府を率いていた第四代将軍、徳川家綱公に対し、初めて正式に拝謁する栄誉を得ました。これは、幕臣の子弟が一人前として認められるための重要な通過儀礼でした。

やがて時は流れ、寛文3年（西暦1663年）の10月9日、長之の父である上杉長貞が死去しました。父の死に伴い、長之は家督を相続することとなり、上杉家の新たな当主としての責任を担うことになりました。

家督相続から二年が経過した寛文5年（西暦1665年）9月8日、長之は江戸幕府における高家職に任じられました。高家は、将軍に近侍し、朝廷との儀礼や諸大名、旗本の格式に関する事項を取り扱う役職であり、幕府内でも格式の高い位置を占めました。

高家就任に続き、同年11月6日には、朝廷から従五位下という位階を授けられ、さらに侍従および伊勢守という官職に任じられました。これは、高家としての地位をさらに確固たるものとするものでした。

上杉長之はその後、長年にわたり高家として幕府に仕えましたが、天和3年（西暦1683年）4月2日をもって、その職を辞し、隠居しました。これを致仕と呼びます。

致仕から約一年後の天和4年（西暦1684年）2月14日、上杉長之は惜しまれつつもこの世を去りました。享年41歳と、その生涯は決して長いものではありませんでした。彼の死去に伴い、上杉家の家督は、長男である上杉長宗が継承することとなりました。

なお、上杉長之には、家督を継いだ長男の長宗のほかに、次男の義陳という息子がいましたが、特筆すべきことに、この長男と次男は双子であったと記録されています。

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