上村頼孝

上村頼孝（うえむら よりよし/よりたか）

生涯

上村頼孝は、戦国時代の武将で、相良氏の家臣として知られています。上村氏は相良氏の庶流にあたり、頼孝は上村氏の14代当主です。兄である相良晴広の死後、甥の相良義陽が家督を継いだことに不満を抱いていました。父である上村頼興の死後、上村城主となったことを機に、弘治3年（1557年）6月、弟の頼堅や稲留長蔵らと共に相良氏に対して反乱を起こしました。

反乱当初は、久木野城に籠り菱刈重任や北原氏からの援軍を得て抵抗しましたが、相良氏の軍勢に敗れ、同年9月20日に北原氏の治める飯野へ逃亡しました。その後、永禄3年（1560年）に、相良義陽からの帰還の誘いを受け、7月29日に700余名の兵と共に帰国し、水俣城下に住むこととなりました。

しかし、永禄10年になり、相良義陽は家臣の蓑田信濃守と高橋駿河守に命じ、頼孝を討伐するよう兵を差し向けました。この報せを受けた深水源八郎長則は、一族である頼孝への仕打ちに憤慨し、一族の侍が誰も死なないのは礼儀に反すると、父である深水宗方に訴え、自ら頼孝を討つ役目を志願しました。深水源八郎は頼孝と酒を酌み交わした後、槍を交え、頼孝は源八郎を討ち取ると、自ら切腹して果てました。享年51歳。法名は本山蓮光。嫡子である四郎頼辰もこの時切腹して亡くなっています。享年24歳。また、近習の者たちも殉死したとされています。しかし、他の子供たちは幼少であったため、罪を免れました。

人物

上村頼孝は、相良氏の家臣でありながら、主君の家督相続に不満を抱き、反乱を起こすなど、激しい一面を持っていました。しかし、最期は自ら切腹し、一族と共に果てるなど、武士としての誇りや忠義心も持ち合わせていた人物だったと考えられます。

脚注

上村頼孝の享年は51歳、嫡子である四郎頼辰は24歳とされています。

参考文献

熊本県教育会球磨郡教育支会 編『国立国会図書館デジタルコレクション 球磨郡誌』熊本県教育会球磨郡教育支会、1941年。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042262/727 国立国会図書館デジタルコレクション。

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