上林敬次郎

上林敬次郎

上林敬次郎（かんばやし けいじろう、1867年 - 没年不詳）は、明治から大正にかけて活躍した日本の官僚です。大蔵省や朝鮮総督府で重要な役割を果たしました。

生い立ちと学歴

1867年（慶応3年）に京都府で生まれました。上林松寿の次男として誕生し、後に上林繁の養子となります。1886年（明治19年）には東京法学校（現在の法政大学）を卒業。在学中には、同校発行の雑誌編集にも携わりました。

官僚としてのキャリア

1894年（明治27年）、第1回文官高等試験に首席で合格し、法制局に配属されました。その後、大蔵省に移り、大蔵省試補としてキャリアをスタート。司税官、秋田税務管理局長、松江税務管理局長、松江税務監督局長、金沢税務監督局長、醸造試験所事務官、大蔵省臨時建築部事務官など、様々な役職を歴任しました。

1910年（明治43年）には、朝鮮総督府専売局長に就任。1916年（大正5年）には忠清南道長官、1918年（大正7年）には咸鏡北道知事を務めるなど、朝鮮半島での行政にも深く関わりました。

1921年（大正10年）には、李王職次官に就任。しかし、1923年（大正12年）に高永根による李太王の建碑問題が発生し、その責任を取って辞任しました。

栄典

1907年（明治40年）5月10日には、その功績が認められ従五位に叙されています。

著書

上林敬次郎は、官僚としての活動だけでなく、法律や制度に関する著書も多数残しています。主な著書として以下のものが挙げられます。

『大日本帝国憲法精義』（共著、時習社、1889年）
『大日本帝国憲法附属法精義』（共著、時習社、1889年）
『日本郡制註解』（螢雪館、1890年）
『日本商法通解』（共著、時習社、1890年）
『営業税法要義』（明法堂、1896年）

これらの著書は、当時の法制度や社会情勢を理解する上で貴重な資料となっています。

参考文献

清水唯一朗『近代日本の官僚』（中央公論新社、2013年）
『日本官僚制総合事典1868-2000』（東京大学出版会、2001年）
『人事興信録』第6版、人事興信所編（1921年）
* 新城道彦『朝鮮王公族』（中央公論新社、2015年）

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