上武佐駅

上武佐駅について

上武佐駅（かみむさえき）は、北海道標津郡中標津町字武佐にかつて存在した駅で、北海道旅客鉄道（JR北海道）の標津線に属していました。かつての電報略号は「カム」で、事務管理コードは▲111706でした。

駅の歴史

上武佐駅は、1937年（昭和12年）10月30日に開業され、その後は標津線の一般駅として利用されました。1959年（昭和34年）4月1日には民間に業務が委託され、これは釧路鉄道管理局管内初の業務委託駅となる重要なステップでした。1980年3月15日には、日本映画『遙かなる山の呼び声』に登場し、その影響で駅は知られるようになりました。

その後、4月30日には貨物の取り扱いが廃止され、1984年2月1日には荷物の取り扱いも終了しました。1986年11月1日には無人駅となり、1987年4月1日には国鉄分割民営化によりJR北海道に継承されました。しかし、1989年4月30日には標津線の全線が廃止され、それに伴い上武佐駅も廃駅となりました。

駅名の由来

駅名は、標津川の支流である武佐川の上流に位置していることから「上」を冠しています。さらに「武佐」の名称はアイヌ語の「モサ（mosa）」が由来とも言われていますが、正確な起源はわかっていません。アイヌ語の研究家であるジョン・バチェラーは「モサ」や「ムセ」を「イラクサ」と関連づけ、そのため武佐も同様の由来であると考えられています。アイヌ文化では、イラクサの繊維を使って「レタルペ」という着物を作っていました。

駅の構造

廃止時点で上武佐駅は単式1面1線のホームを有していました。かつては島状のホームが存在しており、駅舎とホームの間には根室標津側から貨物積降線が引き入れられていました。駅舎は構内の西側、中標津方面に向かって右寄りに建てられ、ホームとの間には階段が設けられていました。また、駅舎横には貨物積降場が存在していましたが、荷物及び貨物の取り扱いが廃止された後は、貨物積降線は撤去されました。さらに、1944年から1954年にかけて、駅舎北側の貨物積降場に接続して殖民軌道根室線の停車場も設置されていました。

利用状況

上武佐駅の利用状況については、乗車人員の推移が記録されています。これに関するデータは年ごとに異なりますが、特定年月では年間乗降人数から1日平均を算出して示されています。具体的な数値は公開されていないため、詳細は当局の資料を参照する必要があります。

駅周辺

駅周辺には、阿寒バスの「上武佐」停留所があり、地域住民の移動手段として利用されています。

現在の状況

現在、上武佐駅跡地には映画『遙かなる山の呼び声』の撮影地であったことを示す標柱や宣伝看板が設置されています。また、駅跡の木には、高倉健さんや鈴木瑞穂さん、山田洋次監督の打ち合わせ中の写真が掲示されている「上武佐駅跡」の標識もあります。このように上武佐駅は、地域の歴史の一部として今なお残されています。

隣の駅

北海道旅客鉄道の標津線では、上武佐駅の隣には中標津駅と川北駅が位置しています。これらの駅も、かつての交通の要所として重要な役割を果たしていました。

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