上殿駅

上殿駅（かみとのえき）について

上殿駅は、広島県山県郡戸河内町中央（現在の山県郡安芸太田町上殿）に位置していた西日本旅客鉄道（JR西日本）の可部線の駅であり、2003年12月1日に廃止された無人駅です。可部線の非電化区間である可部から三段峡までの廃線に伴い、約34年間の歴史に幕を下ろしました。

駅の沿革

上殿駅は1969年7月27日に無人駅として開業しました。この時、国鉄可部線の加計から三段峡間が開通し、旅客輸送の役割を担いました。1987年4月1日には国鉄の分割民営化が実施され、その結果、JR西日本がこの駅を継承しました。しかし、利用者の減少などにより、2003年には廃止されることになりました。

この駅名は、1956年に戸河内町の一部として指定された際に由来しています。駅ができた当初、上殿地方は中央、長田、箕角という三つの小字に分かれていました。しかし、安芸太田町の成立に伴ってこれらが再統合され、上殿という名前が定着しました。分割期間中も地域の教育機関や公共施設で上殿の名は使用されていました。

駅の構造

上殿駅は、単式ホームが1面1線のシンプルな構造を持つ地上駅でした。無人駅であり、駅舎は存在しませんでした。そのため、ホームの上には小さな待合所のみが設けられていました。待合所の背面には「かみとのえき」という文字が描かれていましたが、現在はその跡形もありません。

駅周辺

上殿駅の南側には国道186号が通過しており、以前は北側で道が合流していましたが、2002年にバイパスが開通しました。駅近くには道の駅「来夢とごうち」があり、さらに南には中国自動車道の戸河内ICが位置しています。駅周辺には小さな集落があり、地域の人々にとっての交通の要所でした。

周囲には、広電バスや加計交通、三段峡交通が運行する「上殿中央」停留所も存在し、上殿駅の利用者に便利な環境が整えられていました。

現在の状態

時が経つにつれて、上殿駅は完全に撤去され、現在は草地が広がるのみとなっています。2023年12月現在、かつて駅が存在していたことを示すような記念碑や案内板は設置されていない状態です。かつての鉄道路線の名残を感じることはできず、静かな風景が広がっています。

隣接駅

上殿駅の隣には、可部線の殿賀駅と筒賀駅がありました。この地の鉄道遺産は、鉄道ファンや地域の方々にとって、今なお思い出を残す重要な場所の一つです。

おわりに

上殿駅は、交通手段の一つとして地域に貢献してきた駅です。その廃止は地域にとっての変化を意味し、上殿という地名は今後も県民にとっての文化的な資産であり続けるでしょう。

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