上江橋

上江橋（かみごうはし）

上江橋は埼玉県川越市とさいたま市西区に跨る国道16号の重要な交通路であり、荒川と入間川を渡る2つの道路橋から成り立っています。外回り車線は1977年に竣工し、内回り車線は1997年に完成しました。この橋名は「かみえばし」と誤読されることがありますが、正確には「かみごうはし」と読むべきです。

橋の概要

上江橋は荒川の河口から45.2 kmの地点に位置し、川越バイパス方面から来るとまず入間川を渡り、次に川越市の背割堤を超え、最後に荒川を一気に越えます。その全長は1,609.9メートル、幅11.9メートルで、車道は8メートル、歩道は2.5メートルの有効幅員を持ち、最大支間長は83メートルの鋼連続箱桁橋として設計されています。また、この橋は埼玉県の重要な緊急輸送道路に指定されています。

橋を利用する交通手段には、西武バスの大22系統の路線バスがあり、これにより地域住民の移動が助けられています。また、上江橋はさいたま百景や川越百景にも選ばれており、下流側の歩道には荒川の美しい風景を楽しむための展望デッキが設置されています。さらに、特定非営利活動法人シビルまちづくりステーションによって、「関東地域の橋百選」にも選ばれているほど、地域にとって価値ある橋となっています。

橋の歴史

上江橋の歴史は1894年にさかのぼります。当初は木製の冠水橋として構築され、地元住民の要望に応じて架設されました。この初代橋は後の橋に比べて小さく、洪水時には天板を取り外せる構造となっていて、槌音が洪水の警告となる役割も果たしていました。

1920年代には河川改修が行われ、荒川と入間川が現在の場所を通ることになりました。この段階で新たな冠水橋が架けられることになりましたが、1957年には永久橋に改築され、上江橋の最初のバージョンとして開通しました。この旧上江橋は、有料橋として供用され、一時期は多くの交通を支えていましたが、交通量の増加に伴い新たな橋の必要性が高まりました。

新しい橋の建設

1972年、建設省は上江橋の新橋建設計画を開始しました。1977年に完成した新上江橋は、当初2車線の設計であり、後に交通の需要に応じて4車線に拡張されました。1997年には内回り車線も追加され、現在の上江橋として知られています。この新橋建設により、旧上江橋は交通の負担が軽減され、取り壊されずに遺構として一部保存されています。

周辺の環境とアクセス

上江橋の位置する川越市大字古谷上は、荒川と入間川の合流点で広大な河川敷が広がり、周囲にはゴルフ場やキャンプ場が点在しています。この地域は豊かな自然環境に恵まれており、アクセスも良好です。また、さいたま市の町丁と水田などの農地も点在し、地域住民にとって大切な交通手段となっています。

近年では自転車で訪れることも推奨されており、埼玉県の「ぐるっと埼玉サイクルネットワーク構想」に基づく自転車道体験ルートの一部に指定されています。これにより、訪れる人々は橋の景観だけでなく周囲の自然も楽しむことができます。

上江橋は地域の交通を支えるだけでなく、歴史や文化が息づく重要なシンボルとして親しまれています。

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