上海ワールド・フィナンシャル・センター

上海環球金融中心の概要

上海環球金融中心（Shanghai World Financial Center）は、中華人民共和国上海市の浦東新区に位置する高さ492メートルの超高層ビルです。このビルは世界で11番目の高さを誇り、上海では2番目の高さを持つ建物です。竣工当初は、上海および中国国内で最も高い建物でありました。展望台は474メートルの高さを持ち、完成時には世界最高の展望台とされていましたが、2014年にブルジュ・ハリーファが新たに展望台を開設したことで、その座を譲りました。

歴史的背景

プロジェクトは1997年に着工されたものの、アジア通貨危機やSARS、日中関係の緊張など多くの要因によって工事が中断されました。その後に大幅な設計変更が行われ、ビルの階数を94階から101階に増やし、フロアの天井高も引き上げられました。このような改良によって、ビルの形状は「栓抜き」のようなデザインとなりました。2003年に再び工事が開始され、2008年には竣工を迎えました。

建物の特徴と施設

上海環球金融中心は、ビジネス用途、観光、宿泊の複合施設として設計されています。以下に主な施設を紹介します。

展望台

設計には94階、97階、100階に展望台があります。100階は474メートルの高さで、ガラス張りの床もあり、真下の景色を楽しむことができます。94階には広々とした休憩エリアとお土産店があり、上海の名物である栓抜き形のアイテムも販売されています。

ホテル・飲食店

79階から93階にはハイアット経営のパークハイアット上海があり、約180部屋の宿泊施設が設けられています。91階から93階には飲食店も多く集まり、ビジネスミーティングを兼ねた施設も充実しています。

オフィススペース

7階から77階にはオフィスが入居し、金融機関や外資系企業を中心に約1万人が働いています。特に28、29階にはメディアセンターが設置され、金融情報の発信地点となっています。

ショッピングモール

地下2階から3階には食料品店や飲食店が約50店舗入ったショッピングモールがあります。日本のコンビニエンスストアも出店しており、利便性の高い施設となっています。

施工と構造

このビルは、森ビルをはじめ、中国建築工程総公司や上海建工総会社によって施工されました。設計にはコーン・ペダーセン・フォックスと入江三宅設計事務所が携わりました。地上部分の鉄骨工事は2005年から開始され、無事に2008年に竣工しました。

アクセス

アクセスは非常に便利で、地下鉄2号線の陸家嘴駅および東昌路駅から徒歩5分の距離に位置しています。観光客にもビジネス利用者にも非常に便利な場所に建設されています。

まとめ

上海環球金融中心は、数々の困難を経て誕生した上海の象徴的な建物です。オフィス、ホテル、飲食、ショッピングが融合したこの施設は、国内外から訪れる人々にとって魅力的なスポットとなっています。その壮大な展望と革新的なデザインは、上海の都市の発展を象徴するものです。

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