上海異人娼館 チャイナ・ドール

『上海異人娼館 チャイナ・ドール』は、1981年11月7日に公開された寺山修司監督による日仏合作映画です。フランスの映画制作会社アルゴ社と人力飛行機社が共同で制作しました。

物語の舞台は1926年、魔都と呼ばれた上海。その一角にひっそりと佇む娼館「春桃桜」に、Oという名の娼婦を連れたステファン卿が現れます。娼館の女たちはそれぞれ過去に心の傷を抱え、訪れる男たちもまた、深淵な闇を抱えています。欲望と狂気が渦巻く閉鎖的な空間で、彼らの心の闇は次第にむき出しになっていきます。

監督・脚本は寺山修司が務め、原作はポーリーヌ・レアージュの作品に基づいています。製作総指揮はアナトール・ドーマンとヒロコ・ゴヴァース、製作は九條映子が担当しました。音楽はJ・A・シーザーが手がけ、独特な世界観を創り上げています。

主要キャストは、O役をイザベル・イリエ、ステファン卿役をクラウス・キンスキーが演じ、他に、アリエル・ドンバール、高橋ひとみ、山口小夜子、ピーター、新高恵子、中村研一、小松方正、殿山泰司、石橋蓮司、藤田敏八らが出演しています。ナレーションはジョルジュ・ウィルソンが務めました。

映画は、耽美的で幻想的な映像美と、退廃的な雰囲気で観る者を魅了します。寺山修司独特の演出と、出演者たちの個性的な演技、J・A・シーザーの音楽が融合し、他に類を見ない異様な世界観を作り上げています。

この映画は、人間の深層心理や欲望、孤独といった普遍的なテーマを扱いながら、観る者に様々な感情を呼び起こす作品です。公開当時は賛否両論を呼びましたが、現在ではカルト的な人気を誇っています。

主なスタッフ

監督・脚本：寺山修司
原作：ポーリーヌ・レアージュ
製作総指揮：アナトール・ドーマン、ヒロコ・ゴヴァース
製作：九條映子
音楽：J・A・シーザー

主なキャスト

O：イザベル・イリエ
ステファン卿：クラウス・キンスキー
ナタリー：アリエル・ドンバール
白蘭：高橋ひとみ
咲耶：山口小夜子
マダム黒トカゲ：ピーター
愛染：新高恵子
王学：中村研一
王学の父：小松方正
客：殿山泰司
加藤：石橋蓮司
島田：藤田敏八
ナレーション：ジョルジュ・ウィルソン

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