小松方正

小松 方正

小松方正（こまつほうせい、1926年11月4日 - 2003年7月11日）は、日本の著名な俳優および声優であり、本名は小松豊成（こまつとよしげ）です。彼は長野県松本市出身であり、それぞれの役柄に込められた深い演技で知られています。

生い立ちと経歴

彼は生まれつき体が弱く、若い頃から病に悩まされました。3歳の時には肺炎にかかり、医師から生死の境をさまよったとされています。小学校を卒業した後、叔父のもとを頼りに上京し、昌平中学に入学しました。中学卒業後は満鉄の技術員養成所に入学したものの、結核を患い退社。その後、1945年の終戦直前に海軍に入隊し、広島市に滞在していましたが、その前日に原爆が投下された際は東京に向かう最終列車に乗っていました。

戦後は大蔵省に勤務し、役人向けの新聞記者として初めてのインタビュー相手が当時の映画デビューされたばかりの三國連太郎でした。この縁から、三國が原作・脚本・監督を務めた映画『親鸞 白い道』に僧侶・宇都宮蓮生役で出演することになりました。大蔵省時代には演劇サークルに参加し、文化祭で初めて役者としての舞台に立ち、演劇の世界に魅了されていきます。

1951年には色川大吉の新演劇研究所に入団し、ここで本名を音読みにして「方正」と名乗るようになりました。1952年に中央大学を卒業後、大蔵省を辞めると、本格的に演技の道を志します。翌年には同劇団公演『真空地帯』に出演し、俳優活動を本格化させました。その後、映画『二十六人の逃亡者』で映画デビューを果たし、大島渚の独立プロ「創造社」に参加して以降、大島作品の常連俳優となります。

活動内容

小松方正は、いかつい風貌と低音の声が特徴で、幅広い役柄を演じました。彼の演技は悪役からコミカルな役まで多岐にわたり、特にバラエティ番組『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』ではレギュラーとしても活躍しました。他にも多くの映画で脇役として名を馳せ、特に『神々の深き欲望』や『心中天網島』など、日本映画界の名作に数多く出演しています。

また、声優としても名を知られ、特に俳優アンソニー・クインの吹き替えを担当するなど、多方面で活躍しました。特に、ジャッキー・チェン主演作品では師匠役を演じることが多く、その低い声での怪談の語りは大変人気がありました。

私生活

1972年には、年齢差22歳の女性と結婚し、仲人には大島渚夫妻が務めました。しかし、1982年には撮影中に事故で大怪我を負い、その後は糖尿病や腎不全、直腸癌など多くの病と闘う日々が続きました。その中でも彼は役者としての活動を続け、2003年には76歳で敗血症により亡くなりました。

まとめ

小松方正は、その独特なキャラクターや声で多くの人に愛され、様々な作品に残した影響は計り知れません。彼の演技は、今日でも多くのファンの心に生き続けています。

もう一度検索