上用賀

上用賀の概要

上用賀（かみようが）は、東京都世田谷区に位置する町名で、現在は上用賀一丁目から六丁目までの地域を含みます。この地域は玉川地域に属しており、世田谷区の南部に位置しています。北側は世田谷通り、東側は馬事公苑通り、西側は環状八号線に接し、おおむね碁盤目状の街区が形成されています。

特に目立つのは、町域の東西を結ぶ道路であり、「用賀一条通り」から「用賀十条通り」まで多くの名称が付けられています。南北の交通手段としては、バスが利用できる「用賀中町通り」や「西用賀通り」などがあります。地域の北東部には「馬事公苑」という広大な公園があり、面積は約18万5千平方メートルで、上用賀全体の面積の約15%を占めています。2020年3月時点では、都市計画法に基づく用途地域は、馬事公苑や公共施設を除くと、大部分が第一種低層住居専用地域および第一種中高層住居専用地域に分類されています。

安全性と交通アクセス

東京都都市整備局が2022年に発表した地震に関する評価によれば、上用賀の一丁目から六丁目までの地域はいずれも「レベル1」に位置付けられており、安全性が相対的に高いとされています。日常の交通面では、鉄道駅は存在しませんが、用賀二丁目には東急田園都市線の用賀駅があり、北部には小田急小田原線の千歳船橋駅が近接しています。さらに、多くのバス路線が通っており、世田谷区内のさまざまな地域や施設へのアクセスも良好です。

地価と地形

住宅地の地価は、2024年1月1日現在の公示地価によれば、上用賀1-14-6の地点で71万8000円/m2となっています。地域の地形としては、比較的水はけが悪い部分も存在し、集中豪雨の際には内水氾濫による浸水被害が懸念されることがあります。

歴史的背景

上用賀の歴史は古く、1916年に東京農業大学用賀農場が開設されたことが始まりです。1960年に農場が移転した後、同地には衆議院速記者養成所や国家公務員宿舎などが設置されました。1929年には陸軍衛生材料廠が移転し、終戦後には国立医薬品食品衛生研究所や駒澤大学高等学校などが立地されています。また、1934年からは区域の区画整理が進められ、1940年には馬事公苑が開苑されました。

1968年には住居表示が施行されて、現在の上用賀一丁目から六丁目が成立しました。以降も地域は発展し、1986年には遊歩道「用賀プロムナード」が整備されるなど、住環境の向上が図られています。近年では、2016年に区立の上用賀公園が開園し、2017年には国立医薬品食品衛生研究所が川崎市に移転しました。

教育と公共施設

上用賀には、教育機関として世田谷区立の用賀小学校や用賀中学校があり、住民の教育環境も整っています。また、「馬事公苑」や「東京農業大学の博物館」など、文化・スポーツ施設が充実しており、地域コミュニティの活動も活発に行われています。公的な医療機関である公立学校共済組合関東中央病院も地域内に所在し、住民の健康を支える役割を果たしています。

最寄の交通機関や施設が周囲に充実している上用賀は、安心・安全な生活環境を提供する地域として、多様な側面からその魅力を発揮しています。

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