上町 (生駒市)

上町（かみまち）

概要

上町は、奈良県生駒市に属する町名です。郵便番号は630-0131となっています。

地理

生駒市の北部に位置し、旧北倭村の東南端にあたる地域です。北側は高山町および北田原町に、西側は南田原町に接しています。また、東側では鹿畑町と、さらに東から南にかけては奈良市と隣接しています。町域の中央部を富雄川が南北に流れており、かつては富雄川を挟んで西側に矢田丘陵の一部である「西山」、東側に学園前台地にあたる「東山」が存在し、山に囲まれた地形的な特徴を持っていました。しかし、町域の東側では大規模な宅地開発が進行した結果、往時の「東山」の景観はほとんど失われています。町内からは、あすか野、あすか台、真弓、真弓南、北大和、上町台といった新たな町が分離独立しています。

河川

富雄川

歴史

上町を含む富雄川流域一帯は、中世以前に「鳥見（とみ）」と呼ばれた地域の一部でした。この鳥見は、上鳥見、中鳥見、下鳥見の三つの区域に区分されていたと伝えられています。鎌倉時代には、興福寺大乗院が荘園として所有していた「上鳥見荘」の記録が残っており、現在の「上町」にあたる地域は、この上鳥見荘の一部を構成していたと考えられています。

江戸時代に入ると、「上村」という村名で添下郡の一村として記録に現れます。当初は江戸幕府の直轄領でしたが、元和元年（1615年）からは郡山藩の領地となりました。

近代以降、地域に変化をもたらしたのは交通網の発達でした。大正時代に大軌電車（現在の近鉄の前身）が開通し、近隣に富雄駅が設置されます。上地区の南端からは富雄駅まで約2キロメートル、遠い場所でも4キロメートル圏内と比較的近い距離に位置していました。戦後には、富雄駅から上方面への路線バスの運行が始まり、地域住民の交通利便性が大きく向上します。こうした交通アクセスの改善に加え、宅地開発に適した平坦な土地が存在したことから、上地区は生駒市の北部地域における最初の宅地造成地として選ばれることになります。昭和50年代の初期には、最南端にあたるあすか台地区やあすか野地区で入居が開始されました。この上地区での開発を皮切りに、その後の真弓、白庭台、北大和といった生駒北部における大規模なニュータウン開発へと繋がっていきました。

沿革

地域の行政区画は時代とともに変遷を遂げています。
1889年（明治22年）：周辺の高山村、鹿畑村、北田原村、南田原村と合併し、北倭村が発足。上地区は北倭村の「大字上」となります。
1957年（昭和32年）：生駒町に編入され、生駒町「大字上」となりました。
1971年（昭和46年）：生駒町の市制施行に伴い、生駒市「上町」となりました。
1978年（昭和53年）：町域の一部があすか野北1丁目〜3丁目、あすか台、あすか野南1丁目〜3丁目として分離されます。
1979年（昭和54年）：真弓1丁目〜4丁目が分離。
1988年（昭和63年）：真弓南1丁目、2丁目が分離。
1989年（平成元年）：北大和1丁目〜5丁目が分離。
2009年（平成21年）：上町台が分離。

人口と世帯

2019年（令和元年）10月1日現在の統計では、世帯数および人口に関する情報が確認されています。

事業所

2016年（平成28年）に実施された経済センサス調査によると、事業所数および従業員数に関するデータが存在します。

交通

鉄道

近畿日本鉄道（近鉄）けいはんな線の学研北生駒駅が利用可能です。

バス

奈良交通が運行する路線バスが地域の主要な交通手段の一つとなっています。主な路線として、富雄庄田線や上町生駒線などがあります。

道路

大阪府道・奈良県道7号 枚方大和郡山線
ならやま大通り

主な施設・名所

生駒市立上中学校
奈良県立奈良北高等学校
北コミュニティセンターISTAはばたき
高山郵便局
スーパーセンターオークワ 生駒上町店

寺社

長弓寺
福満寺
安養寺
圓證寺（1985年に奈良市から移転）
伊弉諾神社
一言主神社
天忍穗耳神社

参考文献

生駒市誌編纂委員会 編『生駒市誌（通史・地誌編）V』生駒市役所、1985年。
* 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年。ISBN 4-04-001290-9。

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