上真行

上真行の生涯と業績

上真行（うえ さねみち、1851年7月30日 - 1937年2月28日）は、日本の音楽界において重要な役割を果たした雅楽家、チェロ奏者、漢詩人です。彼は若少期から音楽に親しみ、特に雅楽においては父から直接学びました。幼名は真裕で、号は夢香としても知られています。音楽界の重鎮として、唱歌『一月一日』の作曲者として名を馳せました。

幼少期と音楽の道

京都に生まれた上真行は、4歳の時に父である雅楽師 上真節から雅楽を学び始めます。その後、1866年には宮内に仕官し、楽仕としてのキャリアを歩み始めました。明治維新を迎えると同時に、彼は宮内省雅楽局の設置に関与し、1874年には式部寮の伶人として活動を広げていきます。特に洋楽に対する関心が高まった彼は、当時滞在していた音楽家の指導を受けながら新たな音楽スタイルを身につけていきました。

音楽家としての活動

1876年には、皇族との節宴会で日本人として初めて洋楽器を用いた演奏を行い、彼の功績はさらに広がります。1877年には東京女子師範学校附属幼稚園の依頼で多くの童謡を作曲し、子供たちの音楽教育にも貢献しました。1881年には文部省に勤務し、宮内で初のチェロ奏者として評価されます。1889年には東京音楽学校で教鞭を執り、その後教授に昇格しました。音楽教育にも情熱を注ぎ、音楽教授法の制定や作曲研究を行い、多くの若手音楽家を育成しました。

後半生の貢献

1912年には東京音楽学校で邦楽調査掛を務め、音楽や教育における重要な役割を果たし続けます。1917年には宮内省付属の楽部楽長に就任し、古楽器の調査や研究をおこない、日本の伝統音楽の保存と発展に努めました。晩年には漢詩人としても多くの作品を執筆し、書家としても活動を広げます。特に『万朝報』では多くの詩作や選者としての業務を通じて詩の世界にも影響を与えました。

主な作品

上真行は、音楽、詩、書道のいずれにおいても多岐にわたる業績を残しました。彼の唱歌『寒夜』『神之道』『雪降』『鉄道唱歌』などは多くの人々に親しまれ、作曲した『一月一日』や『天長節』、さらには『京都市歌』などは後世に影響を与えました。またチェロやピアノの演奏にも力を入れ、楽器としてのチェロの普及にも寄与しました。

総括

上真行の人生は、日本の音楽と文学における素晴らしい足跡を残しました。彼の教育活動や作曲、詩作は今なお多くの人々に影響を与え、その功績は色あせることなく受け継がれています。彼の活動は、明治から昭和にかけての日本の文化的発展において重要な役割を果たしました。

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