坂口通

神戸市中央区坂口通：歴史と現代が織りなす街並み

坂口通は、兵庫県神戸市中央区に位置する町名で、坂口通一丁目から七丁目までが行政地として存在しています。郵便番号は651-0062です。かつての葺合区域東部にあたり、東西に長く伸びる住宅街として知られています。東は灘区原田通、南は宮本通、西は熊内橋通、北は上筒井通と、周辺地域と隣接しています。

歴史と交通の変遷

坂口通の歴史は古く、大正5年(1916年)に神戸市葺合町の一部として誕生しました。その地名は、摩耶山への登山口であり、上筒井の高台への入り口であったことに由来しています。「坂口」という名称は、この地理的特徴を反映していると言えるでしょう。

昭和初期には、交通網の発達によって坂口通は大きく変化しました。大正8年(1919年)には神戸市電が開通、大正9年(1920年)には阪神急行電鉄が開通、そして二丁目には上筒井駅が開業しました。さらに昭和11年(1936年)には阪神急行電鉄が三宮まで延伸され、上筒井駅は阪急上筒井線の終点となりました。しかし、昭和15年(1940年)には阪急上筒井線が廃止されています。

昭和50年(1975年)には、二丁目に県立総合福祉センターが建設され、地域社会に貢献する施設が誕生しました。これらの交通網や公共施設の変化は、坂口通の街並みや生活様式にも影響を与えてきたと言えるでしょう。

地域の変遷と宗教施設

坂口通五丁目には真宗大谷派遥船寺、六丁目には浄土真宗本願寺派信徳寺が位置しています。また、かつては三丁目に宮本通三丁目の筒井八幡神社の敷地が隣接していましたが、道路整備によって現在の形となりました。これらの宗教施設は、坂口通の歴史と地域住民の信仰生活を象徴する存在です。

人口と経済

平成17年(2005年)の国勢調査によると、坂口通の世帯数は532世帯、人口は1010人でした。昭和63年(1988年)には世帯数673世帯、人口1517人、昭和35年(1960年)には世帯数596世帯、人口2038人と、時代とともに変遷していることがわかります。大正9年(1920年)には世帯数270世帯、人口1114人でした。

経済面では、六甲バターの本社が坂口通に所在していることが大きな特徴です。また、『日本紳士録』には、山村、横山姓の複数の人物が地主・家主として記載されており、坂口通の歴史的な土地所有状況を垣間見ることができます。著名な人物としては、山村吉次郎、山村雅之祐、横山保太郎などが挙げられます。彼らも坂口通の土地所有に深く関わっていたと推測されます。

まとめ

坂口通は、摩耶山への登山口としての歴史的背景を持ち、交通網の発達や都市計画による変化を経験してきた地域です。宗教施設や企業の存在、そして人口変遷を通して、坂口通は歴史と現代が共存する独特の街並みを形成しています。これからも、地域住民の生活と歴史を繋ぎながら、発展を続けていくことでしょう。

もう一度検索