上総清川駅

上総清川駅：久留里線の静かな駅と、その周辺の活気

千葉県木更津市菅生に位置する上総清川駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）久留里線沿線にある、静かな佇まいの無人駅です。1912年（大正元年）12月28日、千葉県営鉄道久留里線の清川駅として開業しました。その後、1923年（大正12年）9月1日の国有化に伴い、現在の駅名である上総清川駅へと改称されました。

昭和29年（1954年）9月16日には貨物と荷物の取り扱いが廃止され、無人駅となりました。2004年（平成16年）には台風による強風で駅舎が損壊し、その後、2005年（平成17年）に新しい駅舎へと建て替えられました。さらに、2009年（平成21年）3月14日には東京近郊区間に編入され、利便性向上に向けた取り組みが進められてきました。

上総清川駅は、単式ホーム1面1線からなる地上駅で、ホームの長さは5両編成の電車に対応しています。久留里駅の管理下にあり、無人駅ながら乗車駅証明書発行機が設置されています。そのため、駅員が不在でも、乗車券の購入が可能です。

駅周辺の地域とアクセス

駅周辺は、北側と南側で大きく異なる様子を見せています。北側には国道409号が走り、約100メートル西の清川交差点で千葉県道146号木更津根形線と交差しています。小櫃川を越えると、広々とした田園風景が広がります。

一方、南側は住宅地が広がり、清見台中央通りやほたる野周辺には、アピタ木更津店、スーパーマーケット、家電量販店など、生活に密着した商業施設が数多く集まっています。このため、近隣住民にとって、上総清川駅は生活の利便性を高める重要な拠点となっています。

教育機関へのアクセスも良好です。駅からは清和大学（約2キロメートル）、木更津工業高等専門学校（約1.6キロメートル）、木更津総合高等学校（約2キロメートル）などに比較的容易にアクセスできます。これらの学校に通う学生たちにとっても、上総清川駅は欠かせない存在です。

そのほか、木更津市立清川中学校、木更津市立祇園小学校、木更津東邦病院などの公共施設や、清川郵便局、千葉信用金庫、JA木更津市清川支店などの金融機関も駅周辺に立地しています。また、江沢公園や小櫃堰公園といった緑豊かな公園も近く、地域住民の憩いの場となっています。

プラットホーム改善問題と今後の展望

上総清川駅のホームと改札口は北側に設置されていますが、南側に多くの住宅地があるため、南側からの利用者が多いという課題があります。そのため、以前は、利用者が踏切から線路内を通行したり、柵を乗り越えたりするといった危険な行為が見られました。この問題に対し、市とJRによる対策として、駅周辺の巡回強化、注意喚起、看板設置などが行われ、状況は改善されました。

しかし、駅南側の利用者の利便性をさらに高めるため、ホームの南側への移設が提案されています。移設は、利用者の安全と利便性を高める上で有効な手段となる可能性がありますが、JR東日本千葉支社は現状では移設工事の予定はないとしています。今後の状況によっては、地域住民の要望を踏まえた検討がさらに進むことが期待されます。

利用状況

2006年（平成18年）度の1日平均乗車人員は254人でした。近年は、周辺地域の開発や人口変動などによって利用状況に変化が見られる可能性があります。

上総清川駅は、静かな佇まいとは裏腹に、周辺地域に密着した重要な役割を担う駅です。今後も、地域住民の生活を支え、安全で便利な駅として発展していくことが期待されます。

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