久留里線

久留里線について

久留里線（くるりせん）は、千葉県木更津市の木更津駅から君津市の上総亀山駅までを結ぶ、JR東日本運営の地方鉄道路線です。実質的には、非電化で残された数少ない路線の一つであり、地域の交通を支えています。また、千葉県内ではこの路線のみが非電化として運行され、独自の魅力を持っています。

概要

久留里線は、かつて気動車が活躍した房総半島において、現在もなおその特徴を生かしています。運行には列車無線が整備されておらず、運転士は駅との連絡を通じて行います。沿線自治体やJR東日本などが協力して企画されるスタンプラリーや「駅からハイキング」などの集客イベントも行われ、地域ねっとワークづくりに一役買っています。

2009年には、全線が「東京近郊区間」に指定されましたが、久留里線内ではIC乗車カードが使えないため、特に東京駅からのアクセスは不便とされています。ただし、休日には「休日おでかけパス」が利用できる点が特徴です。

路線データ

詳しい路線情報は以下の通りです：

• - 営業キロ：32.2 km
• - 駅数：14（無人駅は11駅）
• - 全線単線：複線区間なし
• - 最高速度：65 km/h
• - 運転指令：千葉総合指令室

また、路線の電化はされておらず、全線が非電化の状態を維持しています。このため、利用者は特に気動車によるその独特の運行スタイルに魅力を感じています。

歴史

久留里線は1912年に開業し、当初は軽便鉄道として運行されていました。1930年には軌間が1067mmに改築され、1936年に上総亀山駅までの全面開通となりますが、その後の延伸は行われていません。戦後は乗客数が減少していく中で、赤字ローカル線廃止勧告も享受しましたが、その運行は続いています。

近年では、久留里線の利用者が減少傾向にあるため、2023年にはバス転換の議論が持ち上がりました。これに対して、君津市は利用者の利便性を保ちながら協議に臨む意向を示しています。また、沿線地域にとっては重要な交通路であるため、地域を代表する交通手段としての地位を保持することが求められています。

運行形態

久留里線のダイヤは平日と土日で共通ですが、運行本数は1時間に1本程度です。列車は日中は1両か2両編成となり、朝夕のラッシュ時には編成数が増えることがあります。運転スタイルも多様で、ワンマン運転が実施されており、乗客は運転士と直接関わりを持つことができるのが特徴です。

使用されている車両

現在久留里線で使用されているのは、キハE130形シリーズの車両です。かつては様々な型式の気動車が利用されてきましたが、都度時代の流れとともにその顔ぶれは変わってきています。特に、JR東日本においては近年の車両更新に合わせた運用変更が行われています。

沿線の特色

久留里線が走る地域は、農地や住宅地が混在しており、自然も多く魅力的な風景が望めます。木更津駅を出発すると、緩やかなカーブを描きながら進み、徐々に標高が上がっていきます。小櫃川沿いの美しい景観や、山間を進む姿は地域の観光資源としても評価されています。

このように、久留里線はただの交通手段ではなく、地域とのつながりや文化を表現する重要な存在であり続けています。

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