上野敬三 (軍人)

上野 敬三

上野敬三（うわの けいぞう、1891年12月20日 - 1985年9月25日）は、日本の海軍軍人であり、そのキャリアを通じて多くの役職を務めた。最終的には海軍中将の階級に達し、太平洋戦争の激動の中で重要な役割を果たした。

経歴

彼は岩手県の雫石町に生まれ、地域の著名な政治家である上野広成の三男として育った。盛岡中学校を卒業した後、1913年12月に海軍兵学校の41期を卒業し、次の年の12月に海軍少尉に任官した。海軍でのキャリアの初期には、航空術を学び、横須賀航空隊での勤務や教育に従事した。彼はその後、いくつかの航空隊の分隊長や飛行隊長の職に就き、航空技術の発展に寄与した。

空母「三笠」への乗組や、佐世保航空隊分隊長など様々な職務を経て、さらなる経験を積んでいった。特に彼は、霞ヶ浦航空隊の飛行隊長としての役割を果たし、欧米への出張も行った。これらの経験は彼の航空戦の専門性を高める要因となった。

軍人としての昇進

上野はその後、海軍航空本部において教育部員としても活躍し、艦長や司令官としての地位に就く。具体的には「能登呂」艦長、霞ヶ浦航空隊副長、「蒼龍」艦長など、高い責任を伴う役職を持つようになった。1941年10月には海軍少将に進級し、太平洋戦争の突入を迎える。

戦争の進行に伴い、第25航空戦隊司令官や第61航空戦隊司令官といった重要な指揮官職を経験し、1944年10月には海軍中将に昇進。この時点で上野は、日本の航空戦力の中核を担う存在となっていた。

戦後の生活

戦争終結後、上野は軍令部に出仕し、艦政本部の造船造兵監督長や、東海海軍監理長・監査長、さらには東海北陸地方海軍部長としても活躍した。彼は東海北陸海軍軍需監督部長を務めた後、1945年10月に予備役に編入される。

その後、1948年3月には公職追放の仮指定を受け、軍人としてのキャリアの終焉を迎えた。長い軍歴を通じて、多くの変革と挑戦を経験した上野敬三の人生は、日本の軍事史において重要な位置を占めている。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
• - 福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。

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