上青梨子町

上青梨子町

上青梨子町（かみあおなしまち）は、群馬県前橋市に属する地域の一つです。市の西部に位置しており、関東平野の北西端、榛名山の東南麓に広がっています。2013年時点での面積は約0.52平方キロメートルであり、地域を示す郵便番号は370-3572です。

地理

上青梨子町は、前橋市の中心部から見て西に位置し、名峰・榛名山の東南斜面に面しています。全体的な地形は、東南方向に向かって緩やかに傾斜しているのが特徴です。この地域には、八幡川が流れており、地域の自然景観の一部を形成しています。

歴史

上青梨子町という地名は、江戸時代まで遡る長い歴史を持っています。江戸時代初期には前橋藩の領地でしたが、宝永年間（1704年-1711年）には幕府直属の家臣である旗本の所領となり、戸田氏、松前氏、花房氏の三氏による相給地となりました。さらに、寛永2年（1749年）には前橋藩が再び領地に加わり、前橋藩を含む四つの領主による複雑な分割統治が行われることになります。その後、慶応4年（1868年）には再び前橋藩の単独管轄下に統一されました。

明治維新後、日本の行政制度が大きく変わる中で、この地域も変遷を遂げました。1889年（明治22年）4月1日の町村制の施行により、上青梨子村は周辺の青梨子村、池端村、野良犬村といった村々と合併し、「清里村」の一部となりました。この時点では、上青梨子はこの清里村を構成する大字（おおあざ）の一つであったと考えられます。続いて、1896年（明治29年）4月1日には、西群馬郡と片岡郡が統合されて群馬郡が新設されたことにより、清里村は新設された群馬郡に所属することになりました。

戦後、昭和の大合併期に入ると、1955年（昭和30年）1月20日に清里村は新高尾村の一部とともに前橋市に編入されることとなり、清里村は廃止されました。この市町村合併を経て、清里村の大字であった上青梨子は「前橋市上青梨子町」として、前橋市の一部を構成する行政町となったのです。

また、この地域では過去の歴史を示す遺構の調査も行われています。1935年（昭和10年）に実施された古墳調査では、二小塚と呼ばれる古墳を含む、少なくとも3基の古墳が確認された記録がありますが、残念ながらその後の開発などの影響により、現在これらの古墳は地上に痕跡を残していません。

交通

上青梨子町内には、鉄道駅は設置されていません。公共交通機関としてのバス路線に関する詳細な情報も少ない状況です。道路網については、主要な国道や県道は町内を通っていませんが、日本の大動脈の一つである関越自動車道が町の中央部を東西に横断しています。直接のインターチェンジは町内にありませんが、近隣のインターチェンジを利用することで高速道路へのアクセスが可能です。

施設

町内には、地域住民の信仰の対象となっている淡嶋神社が鎮座しています。

世帯数と人口、学区

2017年（平成29年）8月31日現在での世帯数と人口に関するデータが存在します（本稿では具体的な数値は割愛します）。教育に関しては、前橋市立の小・中学校に通う場合の学区が、この地域のために定められています。

参考文献

この記事の記述は、主に「角川日本地名大辞典」編纂委員会によって編集された『角川日本地名大辞典 10 群馬県』（角川書店、1988年7月8日発行、ISBN 4-04-001100-7）を参考にしています。

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