下哲

下 哲（しも さとし）について

下哲は1941年に福岡県で生まれ、2003年に逝去した元陸上競技選手です。専門は三段跳で、彼は一時期日本学生記録の保持者でした。また、1963年のユニバーシアードでは金メダルを獲得し、現在において主要な世界大会の三段跳で金メダルを獲得した最後の日本人選手となっています。

経歴

福岡で生まれた下は、父親の仕事の関係で大阪へと移りました。彼は近畿大学附属高等学校に進学し、そこで彼の陸上競技人生が始まります。高校2年の時には全国高等学校陸上競技選手権大会で5位入賞を果たし、翌年の国民体育大会では14m83を跳び、優勝を飾ります。さらには全国高校東西対抗陸上競技大会では15m04を記録し、高校ランク1位となり、前年チャンピオンの選手を下して優勝を手にしました。

その後、早稲田大学へ進学。大学2年の時には日本学生陸上競技選手権大会で優勝し、また日本陸上競技選手権大会を当時の日本学生記録15m92で制するなど、スピード感あふれる成績を残しました。1962年には東京陸上競技選手権大会で16m00を跳び出し、日本人で5人目の16mジャンパーとなります。この大会では、一緒に出場した恩師の桜井孝治も16m超えを記録し、日本陸上史上、初めて2人同時に16mを超えた大会としても名を刻みました。

大学4年生の1963年、代表選考会で日本歴代3位の記録となる16m16をマーク。その後、ブラジルのポルト・アレグレで開催されたユニバーシアードで15m99を跳び、栄光の金メダルを獲得しました。この時の勝利は、下にとって最も嬉しい思い出として今でも心に残っていると言われています。彼以後、主要な国際大会で日本人の金メダルを持つ三段跳の選手は現れていません。

卒業後は大昭和製紙に入社し、1964年の東京オリンピックに向けて日本陸上競技選手権大会に出場しましたが、怪我の影響で代表選手にはなれませんでした。1966年にはアジア競技大会に出場し、銀メダルを手にしています。1967年には、当時の日本歴代3位となる16m36をマークしましたが、メキシコシティオリンピックには出場できませんでした。

大昭和製紙を退社の後は、日本陸上競技連盟に勤務し、競技の発展に貢献しましたが、2003年8月29日に直腸癌で亡くなりました。

家族

下哲の妻はみちるさんで、彼女も元陸上選手として活躍しました。1966年のアジア競技大会で4位入賞の実績があります。また、息子の仁さんも走幅跳の選手であり、1991年の日本陸上競技選手権大会で当時日本タイ記録となる8m10を跳び、同年に世界陸上に出場しています。

下哲という選手の足跡は、今もなお多くの陸上競技選手たちに影響を与え続けています。彼の功績は日本の陸上界において重要な位置を占めており、その存在感は永遠です。

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