下地一明

下地一明：バスケットボールへの情熱と指導者としての再起

下地一明（しもじ かずあき、1976年12月4日 - ）は、沖縄県出身のバスケットボール指導者であり、かつては選手としても活躍しました。彼のバスケットボール人生は、輝かしい才能と、それを阻む病魔との闘いの歴史でもあります。

選手としての早熟な才能

中学時代からその才能を発揮し、全国大会で好成績を収め、日本代表候補にも選出されるほどでした。177cmという中学入学時の高身長を活かしバスケットボールを始め、めきめきと頭角を現しました。ジュニアオールスターでは沖縄県代表として優勝を経験するなど、将来を嘱望される選手でした。

北谷高校に進学後も、インターハイやウィンターカップに出場。1年生ながら全日本メンバーに選ばれるなど、その才能は開花し続けました。中央大学に進学後も日本代表候補に選ばれるなど、順風満帆なバスケットボール人生を送っていましたが、1997年10月17日、試合中に胸の痛みを訴え倒れ、マルファン症候群に起因する解離性大動脈瘤と診断されます。

突然の引退、そして指導者への道

緊急手術により一命は取り留めたものの、選手としてのキャリアを断念せざるを得なくなりました。大学卒業後はオーエスジーに就職し、バスケットボールとは無縁の生活を送ります。しかし、バスケットボールへの情熱は消えることなく、チームの練習相手を務めるうちに競技への復帰を決意。一時的に選手として復帰するも、再び大動脈瘤を発症し、二度目の引退を決意します。

その後、オーエスジーのアシスタントコーチに就任し、中村和雄監督の下で指導者としての道を歩み始めます。2003年にはバスケットボール男子日本代表のアシスタントコーチに就任し、ジェリコ・パブリセヴィッチヘッドコーチの薫陶を受けました。

指導者としてbjリーグへ

日本代表コーチの任期を終えた後は、新潟アルビレックスBBのコーチに就任し、下部組織の指導やバスケットボールスクールで子供たちの指導にあたりました。2011年2月には、bjリーグの富山グラウジーズのヘッドコーチに就任。当時低迷していたチームをプレイオフに導くなど、その手腕を発揮しました。2014年5月には、埼玉ブロンコスのヘッドコーチに就任し、チームの再建を図りました。

病との闘い、そしてグラウジーズへ復帰

埼玉ブロンコスでの指揮中には、細菌性心内膜炎により入院を余儀なくされるなど、再び病魔に襲われます。しかし、不屈の精神で復帰を果たし、チームを勝利に導きました。2017年3月には、富山グラウジーズにアシスタントコーチとして復帰。現在も、指導者としてバスケットボール界に貢献しています。

下地一明のバスケットボール人生は、才能、挫折、そして再起という、波瀾万丈な道のりでした。選手としての夢を絶たれた後も、指導者として情熱を注ぎ続ける彼の姿は、多くの人々に勇気を与えています。病を乗り越え、指導者として活躍する彼の姿は、まさに不屈の精神の象徴と言えるでしょう。

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