下地真樹

下地真樹（しもじ まさき）は、1972年8月23日生まれの日本の経済学者です。現在、阪南大学経済学部経済学科の准教授として教鞭を執っています。

学歴と専門分野

沖縄県那覇市出身の下地氏は、1996年に琉球大学法文学部経済学科を卒業後、2002年に神戸大学大学院経済学研究科で博士後期課程を修了しました。修士（経済学）の学位を取得しています。

専門は公共経済学であり、特に近隣迷惑施設（NIMBY）問題や社会的選択理論を研究しています。また、再分配の経済学にも関心を持ち、研究テーマとしています。

「モジモジ先生」

下地氏は、自らを「モジモジ先生」と称しており、親しみやすいキャラクターとしても知られています。

震災がれき広域処理への批判

下地氏は、東日本大震災で発生したがれきの広域処理について、環境省が主導する政策に強く批判的な立場を取っています。復興支援と放射線防護の両面から、この広域処理は不合理であると主張し、「復興支援のためにこそ、広域処理を容認してはならない」と訴えています。

2012年には、J-WAVEのラジオ番組に出演し、ジャーナリストの堤未果氏のインタビューに対し、大阪市や環境省の対応の問題点を指摘しました。また、がれきに関する科学的なセミナーでは、司会者の制止を振り切って質問を続けたため、マイクを取り上げられるという出来事もありました。

逮捕と釈放

がれき広域処理への反対活動中に、下地氏は威力業務妨害と不退去の容疑で逮捕されるという事態に直面しました。2012年12月9日には、大阪府警察警備部に他の2名とともに逮捕されました。警察の発表によれば、JR大阪駅構内で拡声器を使い「がれき反対」と訴えながらデモ行進を行い、駅員の警告に応じなかったため、駅業務を妨害したとされています。

この逮捕に対して、弁護士の紀藤正樹氏は「勾留理由がない」と批判しました。また、市民団体や大学教授、弁護士など多くの人々が、この逮捕を不当な弾圧であるとして、即時釈放と謝罪を求める署名活動を行いました。下地氏は拘置所内から「警察は嘘をついて私を逮捕した」との声明を発表しました。その後、弁護団や憲法学者からも、この逮捕が表現の自由を不当に侵害するものであるという声明が発表され、多くの賛同が集まりました。下地氏は2012年12月28日に釈放されています。

大学側の対応

下地氏の逮捕に関して、阪南大学当局が逮捕を事前に知っていたにもかかわらず、何も対処しなかったことに対し、島浩二教授が抗議し辞職を表明するという出来事もありました。

その他

下地氏の活動は、X（旧Twitter）やブログでも発信されています。また、J-GLOBALやresearchmapなどの研究者データベースにも情報が掲載されています。

下地氏は、公共経済学の研究者としてだけでなく、社会問題にも積極的に関与する行動的な知識人として、注目を集めています。

もう一度検索