不如帰 (ゲーム)

不如帰（ほととぎす）

『不如帰』は、1988年8月にアイレムから発売されたファミリーコンピュータ用シミュレーションゲームです。開発はタムテックスが担当し、制作総指揮は岡野修身が務めました。岡野は音楽とプログラミングを除くすべての工程を一人で手がけました。

概要

日本の戦国時代を題材にしたシミュレーションゲームで、プレイヤーは大名を選択し、能力を割り振ってゲームを開始します。ボードゲームのような要素があり、能力の割り振り方が戦略に大きく影響します。選択する大名によって難易度が異なり、攻略しやすい国や、国力・兵力・武将が少ない国など、様々な状況で楽しめます。

武力による天下統一だけでなく、官位制度や大名間の従属システムが導入されているのが特徴です。武将の能力値はマスクデータとなっており、合戦ではプレイヤーは大まかな指示しか出せず、総大将が戦場全体を把握しているわけではありません。兵力だけでなく士気が勝敗を左右するシステムや、野戦と籠城戦の切り替え、城ごとに設定された耐久値なども戦略性を高めています。小田原城や石山本願寺などは非常に高い耐久値が設定されています。

隠し要素として川中島合戦イベントも存在しますが、発生条件は非常に厳しく、制作者ですら再現できない幻のイベントとなっています。

その他、在野武将の登用、家臣への俸禄加増、領地への内政と一括徴税、大名家ごとの兵質設定など、多様なシステムが採用されています。家庭用ゲーム機における戦国シミュレーションゲームとしては、初期に武将制を取り入れた作品として知られています。

ゲーム内容

ゲームは、戦闘、内政、移動、政略などのフェイズを1年ごとに繰り返して進行します。寒冷地では移動や戦闘が可能な季節が限られたり、飢饉、豊作、台風などの気象現象、地域によっては一向一揆による反乱や南蛮貿易など、外部要因が税収に影響を与えることがあります。

武将には寿命が設定されておらず、後継者システムも存在しないため、プレイヤー大名は決められた年になると病死し、ゲームオーバーになるという側面があります。ゲーム開始年は1555年ですが、これは開発者が斎藤道三のファンであり、彼に天下統一のチャンスを与えたかったためだと説明書に記載されています。また、1555年当時には生まれていない伊達政宗が登場したり、徳川家康が最初から徳川姓を名乗っていたりする一方、既に死亡しているはずの蓮悟が加賀の大名として登場するなど、時代考証には若干のずれが見られます。

評価

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計25点（満40点）、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では19.82点（満30点）という評価を得ています。オープニングのビジュアルと音楽は、当時のファミコンソフトとしては優れた出来栄えであると評価されています。

関連項目

戦国絵札遊戯 不如帰 -HOTOTOGISU- 乱
戦国Spirits

外部リンク

* 如水軒の末弟子 岡野修身のブログ

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