不思議なピーチパイ

不思議なピーチパイについて

竹内まりやのシングル「不思議なピーチパイ」は、彼女の4枚目の作品で、1980年2月5日にRCA（現：ソニー・ミュージックレーベルズ）からリリースされました。この楽曲は特にそのキャッチーなメロディと歌詞で知られ、竹内の音楽キャリアにおいて重要なマイルストーンとなりました。

背景とヒットの要因

「不思議なピーチパイ」は、資生堂化粧品の1980年春のキャンペーンCMで使用され、プロモーション活動の一環として多くの人々の耳に届けられました。この曲名は、土屋耕一が提案したキャンペーンタイトル「ピーチパイ」に、著名なコピーライターの糸井重里が「不思議な」と付け加えたことから誕生しています。

レコーディングの際、作詞者の安井かずみは「この曲はあなたの声に最も合ったポップソングだ」と竹内に告げており、その期待は的中しました。「不思議なピーチパイ」は、竹内の初の大ヒット曲となり、オリコンチャートでは初めてのTOP10入りを果たし、最終的には最高3位まで上昇するロングヒットを記録しました。累計売上は39.2万枚にも達し、この成功が竹内の名前を広く知らしめる結果となりました。

テレビ出演と影響

このヒット曲により、竹内は『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』などの音楽番組にも出演し、幅広いファン層を獲得しました。特に1980年3月27日放送の『ザ・ベストテン』での10位ランクインは特筆すべきで、その時、彼女は大阪フェスティバルホールでのコンサートから生中継で登場しました。この際、竹内はベストテンへ登場した1000組目のアーティストとなり、スタッフから記念の贈り物として公衆電話に自身の写真を飾る提案があり、見事実現させました。この公衆電話は会場に数年間設置され、多くのファンに利用されました。

その他の展開

「不思議なピーチパイ」は、1988年に公開された映画『ほんの5g』の挿入歌としても使用されたことから、その魅力は映画界にも広がりました。さらにB面曲「さよならの夜明け」は、竹内自身が作詞を手がけ、山下達郎が作曲した楽曲で、こちらも高く評価されています。

収録曲とカヴァー

「不思議なピーチパイ」の収録曲は以下の通りです。

• - 不思議なピーチパイ

作詞：安井かずみ
作曲：加藤和彦
編曲：加藤和彦・清水信之
資生堂化粧品 '80春のキャンペーンソング

• - さよならの夜明け

作詞：竹内まりや
作曲：山下達郎
編曲：Gene Page

この楽曲は多くのアーティストによってカヴァーもされており、河合奈保子や清水香織、the Indigoなどがその名曲を再解釈しています。

「不思議なピーチパイ」は、竹内まりやの音楽キャリアの中でも特に意味深い作品であり、彼女の才能を世に知らしめる重要な役割を果たしました。その後も、多くのファンに愛され続ける楽曲となっています。

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