不易糊工業

不易糊工業株式会社は、1886年に創業した、大阪府八尾市に本社を置く文具メーカーです。創業以来、糊や接着剤を中心に、修正用品、書道用墨汁、描画材など、幅広い文具製品を製造販売しています。

創業と不易糊の誕生

1886年、足立市兵衛によって足立商店として創業しました。そして1895年には、卓上糊の元祖とも言える「不易糊」（現在の表記は「フエキ糊」）の開発に成功しました。この「フエキ糊」は、同社の代表的な製品であり、長年にわたり多くの人に愛用されています。

1899年には、同じく糊メーカーであるヤマト株式会社が「ヤマト糊」を誕生させ、両社は共に国内の糊生産をリードする存在となりました。

社名の由来と製品へのこだわり

「不易」という社名は、荀子の「萬世不能易也」（永遠に変わることなし）という言葉に由来しています。この言葉には、創業者の「永遠に変わらない品質を誇る製品を作り続けたい」という願いが込められています。

また、基幹商品である「フエキ糊」には、コーンスターチが澱粉として使用され、キンモクセイの香料で香り付けがされています。この香りも、フエキ糊の特徴の一つです。

歴史と変遷

1886年：足立商店が大阪府東区（現在の中央区）に創業。
1895年：「不易糊」が誕生。
1924年：足立商店を不易糊工業に改組。
1939年：大阪市東成区（現在の生野区）に生野工場を設置。
1955年：生野工場を廃止し、大阪府八尾市に八尾工場を設置、本社を移転。現在に至ります。

多様な製品群

不易糊工業では、糊や接着剤の他にも、修正ペン、修正テープなどの修正用品、書道用墨汁、描画材、芯ホルダー、付箋など、様々な文具製品を製造しています。

また、文具以外にも、工匠用商品、化粧品なども手掛けています。

どうぶつのりとフエキくん

同社の製品の中でも特に有名なのが、1975年に発売された「どうぶつのり」です。この製品は、帽子を被った可愛らしい犬のキャラクターがパッケージに使用されており、幼稚園や小学校で幅広く利用されています。

この犬のキャラクターには、長らく名前がありませんでしたが、2008年に「フエキくん」と命名されました。

また、2008年6月にはフエキくんのキャラクターライセンスビジネスを開始。キャラクターをデザインに取り入れたハンドクリームや洗顔料など、ユニークな新商品も発売されています。

パッケージの色は、原則として黄色です。

まとめ

不易糊工業は、100年以上の歴史を持つ老舗文具メーカーとして、高品質な製品を提供し続けています。

「フエキ糊」や「どうぶつのり」は、世代を超えて多くの人々に愛されており、日本の文具文化を支える重要な存在と言えるでしょう。

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