不発弾処理 (自衛隊)

自衛隊による不発弾処理について

自衛隊法に基づき、自衛隊は国内で発見された不発弾の処理・除去を行っています。この業務は、第二次世界大戦後に通商産業省などが行っていたものを引き継ぎ、1958年から自衛隊が担当するようになりました。

処理の主体

陸上自衛隊は、陸地で発見された不発弾や漂着機雷を処理します。一方、海上自衛隊は、海に浮遊する機雷や、直接通報を受けた漂着機雷などを処理します。航空自衛隊も、基地内での不発弾処理を担当する隊員を配置しています。

処理の手順

不発弾処理は、民生支援の一環として行われています。陸上で不発弾が発見された場合、都道府県警察本部長が自衛隊の師団長や旅団長に処理を要請します。その後、自衛隊の部隊が現地に派遣され、不発弾を安全に処理します。

具体的な手順としては、まず不発弾を掘り出し、信管を取り外します。その後、安全な場所（演習場や船舶のいない海域など）に運搬し、爆破処理によって廃棄します。しかし、発見時点で信管が外れており、わずかな衝撃で爆発する危険な不発弾も存在します。このような場合は、現場で安全を確保した上で爆破処理を行います。

活動実績

自衛隊は設立以来、数多くの不発弾処理を行ってきました。特に沖縄では、沖縄戦の影響により不発弾の発見が多く、第101不発弾処理隊が頻繁に出動しています。1972年から2024年7月までに、約4万件、1883トンもの不発弾を処理しました。沖縄以外では、東京や神奈川など、戦火にさらされた地域での処理件数が多いです。また、阪神・淡路大震災の際には、倒壊家屋から多数の不発弾が発見され、処理が行われました。

特殊勤務手当

不発弾処理には危険が伴うため、特殊勤務手当が支給されます。1日あたり10,400円が基本ですが、危険度の低い場合は1時間あたり750円が支給されます。

不発弾処理部隊

陸上自衛隊には、不発弾処理を専門とする部隊が編成されています。これらの部隊に所属する隊員は、専門の教育を受け、「不発弾処理き章」を着用します。また、これらの部隊は武器科に所属しており、武器科の隊旗と隊章を着用します。

近年では、処理対象が不発弾に限らなくなっていることから、「爆発物処理隊」への改名が予定されています。また、陸上総隊隷下の中央即応連隊にも、爆発装置処理隊が編成されています。

不発弾処理隊一覧

陸上自衛隊

第101不発弾処理隊（那覇駐屯地）
第102不発弾処理隊（朝霞駐屯地）
第103不発弾処理隊（桂駐屯地）
第104不発弾処理隊（目達原駐屯地）
中央即応連隊爆発装置処理隊（宇都宮駐屯地）

海上自衛隊

自衛艦隊掃海隊群
横須賀水中処分隊（横須賀基地）
呉水中処分隊（呉基地）
佐世保水中処分隊（佐世保基地）
舞鶴水中処分隊（舞鶴基地）
大湊水中処分隊（大湊基地）
沖縄水中処分隊（沖縄基地）

水中処分員

航空自衛隊

航空自衛隊第4補給処東北支処（東北町分屯基地）
整備補給群
装備隊 武器小隊
基地業務群
基地防空隊　等

近年の処理実績

自衛隊は、不発弾処理だけでなく、爆発物処理全般に対応するようになっています。そのため、名称が「爆発物処理隊」に改名される予定です。

関連情報

不発弾処理に関する情報は、以下のリンクからも確認できます。

那覇市 不発弾の基礎知識
沖縄における不発弾処理について
* 沖縄の不発弾等対策について

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