中央即応連隊

中央即応連隊 (CRR)

中央即応連隊は、栃木県宇都宮市の宇都宮駐屯地に所在し、陸上自衛隊陸上総隊の下に位置する連隊です。略称としてCRRまたは中即連と呼ばれ、シンボルマークには巴紋が用いられています。この連隊は海外派遣や国内での緊急事態発生時に迅速に対応できる特別な部隊です。

概要

CRRは、緊急展開部隊として、日本国内外での様々な有事に直面した際、迅速に行動・対処が求められます。その任務の性質上、小火器の射撃訓練が重視されており、実弾を多く使用するため「日本一実弾を使う部隊」との評判もあります。連隊は、災害時やテロ・ゲリラ攻撃に対処するため、方面隊に必要な増援を提供し、国際平和協力活動においては先遣部隊としての役割も担っています。

2008年3月26日、宇都宮駐屯地に正式に編成され、当初の計画では「緊急即応連隊」として1,100人規模でスタートする予定でしたが、人員確保の課題から名称が改められ、「中央即応連隊」となりました。部隊の編制は、本部及び本部管理中隊、3個の普通科中隊、施設中隊、爆発装置処理隊という混成部隊です。

各普通科中隊には狙撃班が編成され、情報小隊や対戦車小隊なども含まれています。隊員は志願制で、平均年齢は31歳と比較的若いですが、特殊技能を持つ隊員は全体の約3割を占めています。

装備と機動性

CRRは、軽装甲機動車や96式装輪装甲車、防弾仕様に改良された高機動車など、約100両の車両を導入しています。宿営地造成に使用する器材や、海外任務に必要な装備品も整っています。また、部隊の拠点である宇都宮駐屯地は、北宇都宮駐屯地から近く、輸送機やヘリコプターの利用が可能です。

個人装備としては、全隊員が左肩にL.E.M.サプライ製のポケットを装着、89式小銃のバイポッドは外し、狙撃銃は迷彩塗装されるなど、独自のスタイルを持ちます。また、陸上自衛隊で初めて砂漠迷彩戦闘服を導入した部隊でもあります。

沿革

中央即応連隊の設立は2006年にさかのぼります。2008年には正式に編成が完了し、2011年には東日本大震災に関連した初の実任務出動を果たします。その後の活動では、国際平和協力活動や国内での災害派遣に重要な役割を果たしました。最新の動きとして、2021年にはアフガニスタンにおける邦人輸送任務も行っています。

編成と主要装備

中央即応連隊は、各種部隊が混成されているため、編成は旅団隷下の普通科連隊とは異なります。連隊本部の他に、本部管理中隊をはじめ、3つの普通科中隊、施設中隊、爆発装置処理隊が編成されています。これにより、高い柔軟性を持った任務遂行が可能になります。

このように、中央即応連隊は、その設立から現在に至るまで、国際的な状況や国内の緊急事態に対して、迅速かつ効果的に対応できる部隊として活動してきました。

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