不知火 (陽炎型駆逐艦)

不知火（しらぬい）駆逐艦の歴史

不知火（しらぬい）は、日本海軍の陽炎型駆逐艦の2番艦として、1939年（昭和14年）12月に竣工しました。日本海軍の艦船名は、1899年（明治32年）に竣工した東雲型駆逐艦「不知火」に次ぐものとなります。戦局の変化の中で、その運命は1944年10月シブヤン海での空襲によって沈没しました。

艦士の軌跡

1937年～1942年事始め

不知火は1937年8月に浦賀船渠で起工され、1938年4月に艦名が決定。1944年12月20日に正式に竣工しました。呉鎮守府の所属となり、陽炎、霞、霰と共に第18駆逐隊に編入されました。この駆逐隊は主に国内での訓練に従事し、1940年の紀元二千六百年特別観艦式では華やかな展示を行いました。

1941年9月、不知火は真珠湾攻撃に向かうため、第二水雷戦隊の一部として出撃します。11月18日に大分県の佐伯湾から出発し、米軍の主力部隊を護衛する任務に従事しました。

戦場での勇敢さ

1942年1月、不知火はラバウル攻撃やインド洋作戦に参加するなど、活発な任務を遂行。その後、オランダ商船に遭遇した際には射撃を行い、商船を撃沈しました。この行動は艦隊の規律と勇敢さを示しています。

ミッドウェー海戦後は、戦場を南方へ移し、連合艦隊の一員として定期的に保護任務をこなしました。特にキスカ島の護衛作戦では、霧が濃い中で期待外れの攻撃を受け、大きな被害を被ることになります。この作戦で不知火は大破し、艦船の運用に影響を及ぼしました。

修理と再出撃

1943年の初め、不知火は舞鶴での長期修理に入りました。艦艇類別表において、修理後は「不知火型」に改称されました。修理が進む中、対空機銃やレーダーが追加装備されるなど、近代化が図られました。

1943年11月には第九艦隊に編入され、ニューギニア島への輸送任務に従事することとなります。しかし、戦況は厳しく、1944年6月には新たな任務が次々に与えられる一方で、大湊方面の護衛活動が続きました。

最後の任務と沈没

1944年10月25日、戦闘艦隊の一部としてスリガオ海峡に進入した不知火は、敵の航空機の攻撃を受け、致命的な被害を被りました。その後、艦隊は混乱の中で退避を余儀なくされました。

最終的に10月27日、不知火はセミララ島沖で空襲を受け、大爆発を起こしながら沈没。艦長や乗員全員が戦死し、この艦は歴史の中に消えていきました。沈没に至るまでの艦歴は、勇気と忠誠の歴史であり、その名は今も忘れ去られることはありません。

歴代艦長

不知火の艦長には、中村謙治、中佐、赤澤次壽雄、中佐をはじめ、様々な艦長が就任し、艦の運命を左右する役割を果たしました。最も長い間艦長を務めたのは、荒悌三郎だった。その下で駆逐艦は多くの戦闘を経験し、艦の名を高めました。

不知火の歴史は、海軍の戦果を象徴するものであり、いくつかの戦史研究資料や文献がその詳しい歴史を記しています。今後もその記録をもとに多くの人がこの艦の存在を記憶し続けることでしょう。

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