不破万作 (小姓)

不破万作（ふわ ばんさく）

不破万作は、天正6年（1578年）に尾張国（現在の愛知県西部）で生まれたとされ、安土桃山時代に豊臣秀次の小姓として仕えました。文禄4年（1595年）に秀次が切腹した際、殉死したと伝えられています。享年17歳という若さでした。

人物

武将としての功績は記録に残っていませんが、不破万作は「天下三美少年」の一人として、その美貌で名を馳せました。この「天下三美少年」とは、不破万作の他に、蒲生氏郷の家臣で歌舞伎の祖とされる名古屋山三郎、同じく蒲生氏郷の家臣で後に石田三成に仕えた浅香左馬之助（水野庄次郎）の3人を指します。彼らは当時、並ぶ者のない美少年として知られていました。

不破万作は、歌舞伎の世界にも影響を与えています。歌舞伎の演目では、名古屋山三郎と恋の鞘当てをする「不破伴左衛門」という人物が登場しますが、この不破伴左衛門のモデルは不破万作であるとされています。初代市川團十郎が不破伴左衛門を演じた際、江戸で大評判となり、その後も代々の市川團十郎がこの役を演じ続けています。

登場作品

不破万作は、以下の大河ドラマに登場しています。

NHK大河ドラマ『春の坂道』（1971年） - 不破伴作役：田村正和
NHK大河ドラマ『黄金の日日』（1978年） - 不破万作役：伊東平山
NHK大河ドラマ『功名が辻』（2006年） - 万作役：浅利陽介

脚注

参考文献

野口武彦 1986『江戸わかもの考』三省堂 pp.51-63
須永朝彦 2002『美少年日本史』国書刊行会 pp.176-178

関連項目

不破万作 (俳優) - 美少年であった不破万作にあやかり、そのまま芸名とした。
雀部重政
歌舞伎十八番


このように、不破万作は短い生涯ながらも、その美貌と歌舞伎における影響を通じて、後世に名を残す人物となりました。

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