与那原バイパス

与那原バイパス

与那原バイパスは、沖縄県中頭郡西原町から島尻郡南風原町に至る、全長約4kmの国道329号のバイパスです。このバイパスは、慢性的な交通渋滞が発生していた与那原交差点を回避するために建設されました。1992年度に事業化され、2022年3月6日に全線開通しました。

建設の背景

与那原バイパスの建設は、与那原交差点を中心とした慢性的な交通渋滞を解消することが主な目的でした。当初は、与那原町の那覇空港自動車道交点から南風原町の国道現道交点までの2.5km区間が計画されていました。その後、西原町と与那原町で進められているマリンタウンプロジェクトへのアクセス路として、西原町小那覇の埋立地まで1.7kmの延長が決定され、事業化されました。

建設の経緯

2002年度に用地取得が開始され、2004年度には工事が着工されました。2006年には、西原町東崎地内の0.5km区間が暫定2車線で開通しました。しかし、2009年の沖縄総合事務局による事業再評価で、費用便益分析が1.0を下回り、事業継続が危ぶまれる事態となりました。この結果を受け、事務局は当該区間の整備予算執行を見合わせることを表明しました。この決定に対し、地元自治体や住民からは事業再開を求める声が相次ぎました。

その後、事業計画が見直され、立体交差で計画されていた我謝交差点を平面交差に変更すること、与那原町内の跨線橋1本の建設を取りやめることによって、約110億円のコスト削減が実現しました。これにより、事業は再開されることになりました。さらに、2012年の事業再評価では、県道南風原与那原線との立体交差点における橋梁部の車線幅員を見直すことで、0.8億円のコスト削減が図られました。

2022年3月6日、与那原町与那原から南風原町与那覇までの2.2km区間が開通し、全線供用が開始されました。

路線データ

起点: 沖縄県中頭郡西原町小那覇
終点: 沖縄県島尻郡南風原町与那覇
延長: L=4.2km
道路規格: 第4種1級
道路標準幅員: 高架部 W=40.5m（側道含む）、一般部 W=31.0m
車線数: 4車線
車線幅員: W=3.5m（一部高架部のみW=3.25m）、側道部 W=5.5m
設計速度: V=60km/h

歴史

1992年度: 一部区間事業化
2002年度: 全線事業化
2006年3月31日: 西原町東崎地内（L=0.5km）暫定2車線で開通
2011年3月29日: 西原町東崎 - 与那原町与那原間（L=0.5km）暫定2車線で開通
2013年10月31日: 南風原町与那覇地内（L=0.3km）暫定2車線で開通
2014年6月30日: 西原町小那覇 - 同町東崎間（L=0.7km）暫定2車線で開通
2022年3月6日: 与那原町与那原 - 南風原町与那覇間（L=2.2km）暫定2車線で開通により全線開通

通過自治体

沖縄県
中頭郡西原町
島尻郡与那原町
島尻郡南風原町

交差する道路

沖縄県道38号浦添西原線（西原町小那覇）
沖縄県道77号糸満与那原線（西原町東崎）
国道329号現道（与那原町与那原・国道331号も重複）
沖縄県道240号南風原与那原線（南風原町与那覇）
沖縄県道236号玉城那覇自転車道線（沖縄のみち自転車道・同）
那覇空港自動車道（国道506号）南風原道路（同）
南風原北インターチェンジ（名護方面出入口に近い）

今後の展望

与那原バイパスは、全線開通により、西側で接続する南風原バイパスと一体的に地域の基幹道路として活用されています。しかし、西原町小那覇からの先の東側区間については、現在のところ具体的な計画は未定となっています。

関連情報

内閣府 沖縄総合事務局
南部国道事務所

このバイパスの完成により、地域の交通の円滑化に大きく貢献することが期待されています。

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