与那覇湾

与那覇湾について

与那覇湾（よなはわん）は、沖縄県宮古島市の南西部に広がる湾で、2012年にはラムサール条約の登録湿地として認定されました。この湾は、特にその生態系の豊かさと自然環境の重要性から注目されています。

地形の特徴

与那覇湾は北西に開かれた湾口を持ち、北東側には久松地区、南西側には下地地区があります。湾の最大水深は2メートルと浅く、全体としては沖縄県内で最大の面積を誇る広大な干潟になっています。また、湾口付近の下地には西浜崎という岬が北に突き出ており、湾の景観に独特の風情を与えています。

生物多様性

この湾内には、マングローブ林が広がっており、そのほかにもリュウキュウスガモやベニアマモ、シオニラなどの海草が生息しています。また、与那覇湾の干潟は、シギやチドリ類を含む渡り鳥たちの重要な経由地で、ここではムナグロ、メダイチドリ、チュウシャクシギなどが越冬し、繁殖のためによく見られます。

特に、クロツラヘラサギ（絶滅危惧IA類）、ツクシガモ、キンバト（絶滅危惧IB類）、そしてサシバ、セイタカシギ、アカアシシギ（絶滅危惧II類）などが観察されています。時にはヘラシギやタンチョウ、コウノトリ、タイマイ、ミヤコカナヘビなども目撃されることがあります。

このような理由から、与那覇湾およびその周辺地域は「与那覇湾およびその周辺」として日本の重要湿地500に指定されています。また、2011年には国家的な鳥獣保護区に指定されており、その後2012年にラムサール条約に登録されるに至りました。

文化的側面

与那覇湾では、沖縄の伝統的な行事である浜下りが旧暦3月3日の大潮に行われます。宮古島では、この行事が「サニツ」と呼ばれ、湾の下地側に位置する浜では盛大に行われていました。そのため、この場所は通称「サニツ浜」として知られ、サニツ浜ふれあい広場も整備されています。

サニツ浜では、昔から宮古馬の競走が行われており、この伝統を象徴する巨大なモニュメントも設置されています。1991年からはこの行事がサニツ浜カーニバルとしてイベント化され、地域の活性化に役立っていました。しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、2019年からは中止され、2022年には廃止が決まってしまいました。

結論

与那覇湾は、その自然環境だけでなく文化的な側面からも、沖縄の宝としての役割を果たしています。自然と伝統が共存するこの場所は、今後も多くの人々に愛されることでしょう。

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