世尊寺経朝

世尊寺経朝

世尊寺経朝（せそんじ つねとも）は、鎌倉時代中期に活躍した公卿、能書家、歌人です。権中納言・広橋頼資の子として生まれ、世尊寺行能の養子となり、世尊寺家を継承しました。

経歴

経朝は貞永元年（1232年）に摂津守に任じられ、文暦2年（1235年）には住吉大社での功績により従五位上に昇叙されました。その後も順調に昇進を重ね、延応元年（1239年）に正五位下、仁治2年（1241年）には従四位下へと位階を進めました。

仁治3年（1242年）には左京権大夫に任じられ、寛元3年（1245年）には淡路守を兼任しました。宝治2年（1248年）に従四位上、建長7年（1255年）には正四位下に昇叙されています。弘長元年（1261年）に従三位、文永6年（1269年）には正三位に叙せられました。

建治2年（1276年）2月2日に美濃国で亡くなりました。

業績

経朝は公卿としての活動の傍ら、能書家、歌人としても才能を発揮しました。特に書道においては、世尊寺流の書法を継承し、発展に貢献しました。

また、建治元年（1275年）には、世尊寺家の書法に関する秘伝28条をまとめた「心底抄」を著し、安達泰盛に与えました。この書は、世尊寺流の書道の奥義を伝える貴重な資料として、後世にまでその名を残しています。

官位

貞永元年（1232年）：摂津守
文暦2年（1235年）：従五位上
延応元年（1239年）：正五位下
仁治2年（1241年）：従四位下
仁治3年（1242年）：左京権大夫
寛元3年（1245年）：淡路守
宝治2年（1248年）：従四位上
建長7年（1255年）：正四位下
弘長元年（1261年）：従三位
文永6年（1269年）：正三位

参考文献

* 『公卿補任』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編）

世尊寺経朝は、鎌倉時代中期における公家社会において重要な役割を果たし、文化の発展にも貢献した人物として、その名を知られています。

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