世田谷文学館

世田谷文学館

世田谷文学館は、東京都世田谷区南烏山に位置する近代総合文学館で、1995年に開館しました。この施設は、東京23区で初めての文学館として注目され、公益財団法人せたがや文化財団によって運営されています。文学館は、ウテナの創設者である久保政吉の旧邸近くに位置し、周辺には環八通りや蘆花恒春園もあります。

建物の構造と展示内容

世田谷文学館は、地上3階、地下1階の建物で構成されており、展示室は1階と2階にやあります。開館当初は1階が企画展示、2階が常設展示として利用されていましたが、現在は1階が常設展示、2階が企画展示という形に変更されています。この変更は、2階の方が展示エリアが広いために行われたものです。

館内では、年間に約5件の企画展と2件のコレクション展が行われており、それぞれの展覧会が来館者に新たな文学体験を提供します。また、1階にはキッズスペースや授乳室も備えたカジュアルな図書館「ライブラリーほんとわ」、様々なイベントを行える「文学サロン」、実物のゴジラの展示もある喫茶室「どんぐり」、さらに公共スペースとして利用できる「講義室」が設置されています。

沿革

世田谷文学館の設立に向けた動きは、1986年の「世田谷文化会議」に遡ります。それ以降、1987年からさまざまな計画が進行し、1995年に正式に開館に至りました。初代館長には佐伯彰一さんが就任し、その後2007年には菅野昭正氏が館長に就任。2011年には、せたがや文化財団が公益財団法人として認定されました。

近年、2021年に亀山郁夫氏が新しい館長に就任するとともに、文学館は新たな展覧会や文化活動を展開しています。

ムットーニのからくり箱

世田谷文学館には、アーティスト武藤政彦が手がけた「ムットーニ」のからくり箱が展示されています。これは、写真や映像では表現できない要素を含む総合芸術であり、動きや光、音楽を組み合わせて物語を語る小さなストーリーボックスです。来館者は、展示室の入口近くにある3つのからくり箱が1時間ごとに動く様子を楽しむことができます。また、2007年には「ムットーニのからくり書物」という特別展も開催され、多くの観客を魅了しました。

利用案内

世田谷文学館へのアクセスは便利で、京王線「芦花公園駅」から徒歩5分の距離にあります。バスを利用する場合も、複数の路線が近くの停留所に停まります。車で来館する際も、裏手に来館者用の駐車場があります。

開館時間は午前10時から午後6時までで、入館は閉館の30分前まで可能です。休館日は月曜日で、祝日の場合は翌日が休みとなります。また、観覧料はコレクション展によって異なり、一般は200円、大学生は150円、中学生・小学生は100円と手頃です。障がい者用の設備も充実しており、エレベーターや専用のトイレ、駐車場も備えています。

世田谷文学館は文学に関心のあるすべての人にとって、文化体験を深めるための素晴らしい場所です。

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