世界のプロレス

世界のプロレス

概要

「世界のプロレス」は、1984年10月から1987年3月までテレビ東京系列で放送されたプロレス番組です。この番組は主として海外のプロレスを取り上げ、視聴者に多彩な試合を楽しませました。毎週土曜日に放送され、視聴率は8〜9%を記録していました。

当初は「国際プロレスアワー」というタイトルで放送されており、スポーツ局長の白石剛が制作に関わっていました。番組では、アメリカのNWA、AWA、CWA、MSWA、さらにはメキシコのルチャリブレの映像を日本語の実況・解説付きで紹介していました。さらに、実況スタッフはニューヨークやフロリダなどの現地に出向いて実況を行うこともあり、視聴者にリアルな体験を提供しました。

WWFの試合は放映権の関係であまり多くは放送されませんでしたが、1985年のWWFと新日本プロレスとの提携が解消された後は、日本国内でWWF選手の試合が見られる貴重な機会となりました。特に、1986年に放送された「レッスルマニア2」は、全試合が3週にわたって放送され、視聴者から好評を得ました。

この番組は、まだ知られていない注目のレスラーを紹介する役割も果たしました。たとえば、当時高い評価を受けていたロード・ウォリアーズの試合をいち早く放送し、彼らの人気を押し上げることに貢献しました。また、海外を主戦場にしていた日本人レスラーのケンドー・ナガサキやミスター・ポーゴの試合も取り上げられました。

放送開始から数年後の1986年には、「月曜テレビジョン」に移行し、不定期放送が行われました。この変更に伴い、日本のUWFの試合も放送されましたが、UWFのスポンサーが豊田商事の関連会社であったため、豊田商事事件を受けてUWFの中継は終了しました。その後、1986年4月14日からレギュラー放送が復活し、1987年3月まで続きました。これがテレビ東京自社制作のプロレス番組の最後のものでした。

実況スタッフ

番組では、実力派の実況陣が揃っていました。実況は杉浦滋男と土居壮が担当し、解説を門馬忠雄が務めました。初期のナレーターには山田康雄が起用され、後には小倉智昭が選手紹介のVTRで出演しました。

スタッフ

この番組は、住本慶一郎が構成、洲脇健一が編集、白根沢修が効果担当、東正紀が演出を手掛けていました。プロデューサーには槇尾義孝、石井信平、稲塚秀孝が名を連ねており、制作にはテレビ東京とテレビマンユニオンが関わっていました。

エピソード

番組制作においては、映像の買い付けや制作をテレビマンユニオンとタキオンが手掛け、アフレコはIMAGICAのスタジオで行われていました。印象的なエピソードとして、1985年10月7日に放送されたAWA世界タッグ選手権の模様が挙げられます。この試合では、ロード・ウォリアーズとスタン・ハンセン、ハーリー・レイスが対戦しました。

収録に関しては、両者が全日本プロレスに関与していたため、放送に際しては特別な配慮が必要でした。ウォリアーズのマネージャー、ポール・エラリングは、収録の承諾を得られないか懸念していましたが、最終的にジャイアント馬場から了承を得ることができ、無事に放送されました。

結論

「世界のプロレス」は、国内外のプロレスファンに貴重な映像と情報を提供し、プロレス文化の普及に寄与した番組です。このような取り組みが、今後のプロレス番組の展開にも影響を与えることでしょう。

もう一度検索