世界まるごと2001年

世界まるごと2001年：20世紀を振り返り、未来へ想いを馳せたクイズ番組

1990年4月12日から1991年3月28日まで、TBS系列で放送されたクイズ番組『世界まるごと2001年』。毎日放送とイーストが共同制作したこの番組は、前番組『世界まるごとHOWマッチ』を継承しつつ、新たな魅力を放つ人気番組となりました。放送時間は毎週木曜日の20時〜20時54分。

番組の構成と特徴

『世界まるごとHOWマッチ』の特別番組版として放送された『HOWマッチスペシャル 大橋巨泉のクイズまるごと20世紀』を元にレギュラー化された本作。セットは『HOWマッチ』を大型化したようなデザインでしたが、司会者席と解答者席の位置が逆転するなど、独自の工夫が見られました。

番組は、世界と日本の20世紀の出来事を収録したVTR（白黒映像が中心で、カラー映像も一部使用）を元にクイズを出題。出演者たちは「ここはどこ？」「これは何？」「これは何をしているのか？」といった問いを解きながら、20世紀を振り返り、21世紀への展望を語り合うという構成でした。

特に注目すべきは、山口美江が単独で司会を務めた点です。当時、女性が単独でクイズ番組の司会を務めることは前例がなく、画期的な試みでした。山口は、週替わりで登場する男性コメンテーターと息の合った進行で番組を盛り上げました。

スーパーバイザーとして大橋巨泉が番組制作に関わり、コメンテーターとして不定期に出演。さらに、『HOWマッチ』から石坂浩二とビートたけしもレギュラー解答者として続投し、番組に安定感を与えました。コメンテーターは、巨泉の提案により「今週の彦左衛門」というユニークな肩書が付けられました。

豪華な出演者陣

司会は山口美江。コメンテーター「今週の彦左衛門」には、青島幸男、筑紫哲也、田原総一朗、江森陽弘、藤本義一、大林宣彦、前田武彦、大島渚、小林亜星、舛添要一、栗本慎一郎、浅井慎平など、20世紀の出来事に精通した幅広い分野の著名人が週替わりで出演しました。大島渚や舛添要一は解答者として出演することもありました。

レギュラー解答者は、石坂浩二とビートたけしをリーダーとする2チーム制。各チームにはゲスト解答者が加わり、チーム対抗戦を繰り広げました。石坂チームのゲストは女性タレントが中心で、たけしチームには松尾雄治、田中義剛、高田文夫、芹澤信雄などたけしと親交のある男性著名人が多く選ばれました。加賀まりこはたけしチームの女性ゲストとして何度か出演しています。

クイズ形式と賞品

番組は、オープニングクイズ、通常問題、そして逆転クイズの3部構成。オープニングクイズは各チーム1問ずつ出題され、正解すると10点（ペア正解で20点）を獲得できました。通常問題は3問出題され、10点と20点の問題がありました。

逆転クイズは、4×4のテレビモニターに表示される問題ジャンルと点数の組み合わせから、点数の少ないチームが先に問題を選び、解答しました。後期には、解答後に山口美江が「〜どうでしょう？」とコールして正誤判定するシステムが導入されました。

全問正解で50点を獲得し、さらに逆転クイズでも50点問題に正解すれば100点満点となり、世界一周旅行が賞品として贈られました。また、後期には得点に応じて様々な賞品が用意されました。難易度の高さから、世界一周旅行を獲得するのは容易ではありませんでした。トップ賞は前期は週替わりでしたが、後期は週替わりの海外旅行となりました。

番組後期には、巨泉のアイデアで「プッシュ」ルールが導入されました。3チーム目まで不正解で、4チーム目も不正解の場合、4チーム目は世界一周旅行獲得をかけて「プッシュ」を宣言し、残された50点問題に挑戦することができました。

スタッフと制作

番組には、大橋巨泉（スーパーバイザー）、恒川省三（構成）、清水信之（音楽）、小倉智昭（ナレーター）、波多野健（演出）、山田尚（MBSプロデューサー）など、多くのベテランスタッフが参加しました。制作は毎日放送とイーストが担当しました。

備考

湾岸戦争の勃発により、1991年1月17日放送予定分は急遽休止となりました。

『世界まるごと2001年』は、豪華な出演者とユニークなクイズ形式、そして20世紀の歴史を振り返る構成が魅力のクイズ番組でした。多くの視聴者に記憶に残る番組となったと言えるでしょう。

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