世界名作童話シリーズ ワ〜ォ!メルヘン王国

『世界名作童話シリーズ・ワ〜ォ!メルヘン王国』

『世界名作童話シリーズ・ワ〜ォ!メルヘン王国』は、1995年4月から9月にかけてフジテレビで放送されたアニメーションシリーズです。この作品は東映動画によって制作され、全26話から成り立っています。フジテレビにおいて「コーセーファンタジーランド」のタイトルで、化粧品メーカーのコーセーが一社提供する形で放送されました。毎週金曜日の午後16時30分から17時00分の枠で放送されたものの、残念ながら第21話をもって打ち切りとなってしまいました。初めて放送された際には『アニメ世界の童話』というタイトルが用いられ、その後、DVD化の際には『世界名作昔ばなし』と改名されました。

製作に関して興味深いエピソードがあります。演出を担当した佐藤順一氏によると、元々この作品はイタリアのテレビ局向けに制作されていたとのことです。そのため、日本のアニメ制作とは異なる規制や基準が適用されていました。具体的には、彼が手がけた「おやゆび姫」では、キャラクターのデザインにおいて少女の頭身を上げるように求められたことがあったと語っています。これは当時の放送における文化的な違いを象徴する出来事と言えるでしょう。

スタッフも多彩で、実写パートとアニメパートでそれぞれ異なる顔ぶれが集まりました。実写パートの演出は常田久仁子が手掛け、製作協力には千代田企画が名を連ねています。また、アニメパートではシリーズディレクターに設楽博、キャラクターデザインには近永健一や伊藤郁子、阿部隆が参加しました。美術デザインは吉池隆司と行信三、音楽は横山菁児が担当しました。制作にはフジエイトや東映動画、レイテイタリアが関与しています。

キャスト陣も豪華で、実写パートでは坂上香織が登場しました。アニメパートではアラジンを置鮎龍太郎、シンデレラを皆口裕子、白雪姫を天野由梨、といったように著名な声優が多数参加しています。また、各話の最後には坂上による「今日の童話解説」というコーナーがあり、最初から11回まではスタジオ収録、12回以降はロケによる収録が実施されました。スタジオでは紙芝居形式で物語の解説が行われ、ロケ収録では名物や思い出の場所を紹介する様子が放送されました。

このシリーズは、放送された地域により視聴可能なテレビ局が異なり、フジテレビでは金曜日に放送され、他にも秋田テレビや沖縄テレビでも放送されました。映像ソフトとしても発売され、全8巻で、特定の話が欠番扱いとなっている点も印象的です。

この作品は、名作童話を子供たちに楽しませるだけでなく、実写パートによって視聴者に新しい視点を提供した点が特徴的です。それぞれの話がどのようにアニメーション化されたのか、そして実際のロケによる解説がいかにして視聴者に届けられたのか、放送当時の子供たちにとって忘れ難い思い出となっているでしょう。

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