丘ナオミ

丘 ナオミ

丘 ナオミ（おか なおみ）は、1952年5月12日に新潟県新潟市で生まれた日本の女優である。その長いキャリアの中で、芸名を数回にわたり変更しており、丘奈保美（おか なおみ）、岡尚美（おか なおみ）、丘なおみ（おか なおみ）といった名前でも活動した時期がある。

経歴

1952年に新潟県で生を受けた丘ナオミは、高校時代に地元を離れ、1969年に新潟市立沼垂高等学校を中途退学して上京した。芸能界への扉が開かれたのは1972年のことである。当時、スナックで働いていた際にスカウトされたのがきっかけで、女優の道を歩み始めた。デビュー作は、東映京都が製作した映画『女番長ゲリラ』である。この作品で丘ナオミ名義として初めてスクリーンに登場し、丸坊主という当時としては衝撃的なスケバン役を演じて、その存在感を示した。

女優として活動を始めた翌年の1973年には、芸名を丘奈保美と改め、活動の場を日活へと移した。日活では、当時の看板ジャンルであったロマンポルノ作品を中心に、非常に多くの作品に出演を重ねた。『四畳半襖の裏張り』や『赤線玉の井 ぬけられます』、『暴行切り裂きジャック』といった代表作を含む、年間多数の作品に出演する多忙な日々を送り、日活ロマンポルノの黄金期を支える重要な女優の一人として活躍した。この時期には、『女調査員SEXレポート 主婦売春』や『トルコ風呂(秘)外伝 尼僧極楽』などで主演も務めている。

1977年からは、再び改名を行い、岡尚美として活動を継続した。この頃になると、活動の領域は日活ロマンポルノにとどまらず、より幅広いジャンルへと広がっていく。渡辺護監督や高橋伴明監督といった、独立系のピンク映画界で活躍する監督たちの作品にも積極的に出演し、演技の幅をさらに深めた。また、一般映画への進出も果たし、アクションやサスペンスなど、多様なジャンルの作品に顔を見せるようになった。特に、1978年に公開された東映セントラルフィルム製作の映画『殺人遊戯』では、主演の千葉真一と共演するなど、活動の幅を大きく広げ、その演技力が多くの関係者から注目された。

こうした日活ロマンポルノやピンク映画での経験を活かしつつ、一般映画でも確かな演技力を示したことが評価され、1979年には第一回ズームアップ映画祭において助演女優賞を受賞するという栄誉に輝いた。これは、彼女の演技に対する高い評価を示すものとなった。

受賞後も芸名の変更は続き、1980年には丘なおみ、そして1984年以降は再びデビュー当初の丘ナオミへと名前を戻している。キャリア全体を通して、映画ではデビュー作から始まり、日活ロマンポルノ、ピンク映画、そして一般映画まで、非常に多数の作品に出演している。特に日活在籍時には、その多作ぶりで知られた。映画以外にも、テレビドラマやテレビアニメにも出演しており、『新宿警察』、『大都会』シリーズ、『探偵物語』、『西部警察』といった著名なテレビドラマシリーズにもゲスト出演を果たした。近年では、2007年に放送されたNHK連続テレビ小説『どんど晴れ』にも出演するなど、長きにわたり女優として活動を続けている。

主な出演作品

映画

女番長ゲリラ（1972年、東映京都）
四畳半襖の裏張り（1973年、日活）
赤線玉の井 ぬけられます（1974年、日活）
トルコ風呂(秘)外伝 尼僧極楽（1975年、日活）- 主演
日本の拷問（1978年、新東宝）- 主演
殺人遊戯（1978年、東映セントラルフィルム）
マルサの女（1987年、伊丹プロ＝ニュー・センチュリー・ブロデューサーズ）

テレビドラマ

新宿警察（1975 - 1976）
大都会 闘いの日々（1976）
探偵物語（1979 - 1980）
西部警察（1980）
どんど晴れ（2007）

テレビアニメ

* トトイ（1992）

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