両夫婦

『両夫婦』（りょうふうふ、The Rounders）は、1914年にキーストン社が製作し、チャールズ・チャップリンが主演と監督を務めた短編サイレント映画です。映画研究家ウノ・アスプランドが考案したチャップリンのフィルモグラフィー整理システムでは、チャップリンの映画出演26作目にあたります。また、『チヤプリンとデブ』という別邦題でも知られています。

あらすじ

物語は、チャーリーとファッティという2人の酔客が同じホテルに宿泊している場面から始まります。チャーリーは妻に尻を叩かれ、ファッティは妻を叩いているという対照的な状況です。二人はそれぞれの妻の財布からお金を盗み出し、レストランへ繰り出してどんちゃん騒ぎを繰り広げます。しかし、騒ぎが大きくなり、レストランの客や従業員、そして妻たちから怒りを買い、逃げ出す羽目になります。

最終的に、二人は湖にたどり着き、ボートを漕ぎ出して湖の真ん中まで行きますが、そこでボートを沈めてしまうという結末を迎えます。

評価

チャップリンはフレッド・カーノー劇団時代から酔っぱらい役を演じており、『両夫婦』でも得意の酔っぱらいを演じています。映画史家のデイヴィッド・ロビンソンは、チャップリンの伝記の中で、本作における酔っぱらい役は従来の単なる酔っ払いとは異なり、後の『街の灯』（1931年）で完成される新しいタイプの酔っぱらい役の萌芽が見られると評価しています。

キャスト

チャールズ・チャップリン - 陽気な男（チャーリー）
ロスコー・アーバックル - 陽気な男の友人（ファッティ）
フィリス・アレン - 陽気な男の妻
ミンタ・ダーフィ - 友人の妻
アル・セント・ジョン - ボーイ
ジェス・ダンディ - 食事客
ウォレス・マクドナルド - 食事客
チャーリー・チェイス - 食事客

参考文献

デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴、高田恵子 訳、文藝春秋、1993年4月。ISBN 978-4-1634-7430-4。
大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年3月。ISBN 978-4-1408-1183-2。

外部リンク

The Rounders - IMDb（英語）
Charlie Chaplin's "The Rounders" - インターネット・アーカイブ（BGM有り。やや不鮮明）
* The Rounders - YouTube - BGM有り

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