両津港

両津港：佐渡島の玄関口

両津港は、新潟県佐渡市に位置する、佐渡島を代表する港湾です。小木港とともに、港湾法上の重要港湾、港則法上の特定港にも指定されており、佐渡島における海上交通の要衝として重要な役割を担っています。

アクセスと機能

両津湾と加茂湖を隔てる砂州上に位置する両津港は、新潟港から佐渡汽船のフェリーが頻繁に運航しています。港からは島内各地へのバスや道路が整備されており、佐渡島へのアクセスにおいて、まさに表玄関としての機能を果たしています。また、国道350号の海上国道区間の終点にもなっており、陸路からのアクセスも確保されています。

港周辺は「みなとオアシス佐渡両津」として整備され、道の駅あいぽーと佐渡など、観光客や地域住民の交流拠点となる施設が充実しています。観光客向けの情報案内所や土産物店、レストラン、レンタカーなども港の周辺に集まっています。

佐渡空港とは加茂湖を挟んで約5.5キロメートル離れており、空路からのアクセスも可能です。

歴史と発展

古くから漁港として栄えてきた両津港は、北側の夷と南側の湊という二つの船着場を合わせた地名に由来します。江戸時代には、相川金銀山の隆盛に伴い、物資の輸送拠点として発展しました。西廻り航路の船も頻繁に往来し、加茂湖の埋め立てによる築地町の建設など、街自体も大きく拡大していきました。

明治元年、新潟港が開港五港に指定された際、両津港（当時は佐渡夷港）は新潟港の緊急時の補助港として開港しました。イギリス公使ハリー・パークスの強い主張が、この開港に大きく影響を与えたと言われています。明治18年には新潟港と定期船の運航が開始され、明治19年には相川と両津を結ぶ県道の整備が進みました。これにより、それまで佐渡島の主要な玄関口であった小木港から、両津港がその役割を引き継ぎ、発展を遂げていきました。やがて、新潟県内有数の水産物水揚げ港へと成長を遂げました。

明治35年には加茂湖の洪水対策として水路が開削され、昭和3年には夷地区で大きな火災に見舞われましたが、その後、片持ち式アーケードのある商店街が再建されました。大正6年には、港湾名が佐渡夷港から現在の両津港へと改称されました。

旅客航路と施設

現在、両津港では佐渡汽船が新潟港との間で旅客船を運航しています。カーフェリーは昭和42年から、ジェットフォイルは昭和52年から運航開始され、国内初のジェットフォイル就航地となりました。

港には佐渡汽船両津ターミナルや両津南埠頭ビル、観光案内所、商店街、レストラン、レンタカー営業所などが整備されています。

近年では、老朽化した両津南埠頭ビルの建て替えや交通広場の整備、シェアオフィスの開設などが進められています。

バス路線と周辺環境

両津港からは、新潟交通佐渡のバス路線が島内各地へ乗り入れています。主要な路線としては、佐和田・相川・佐渡金山方面、畑野・佐和田方面、水津・多田方面、大野亀方面などがあります。

港周辺は両津地区の中心市街地となっており、歴史ある町並みが残されています。道の駅あいぽーと佐渡、みなと中央公園、佐渡アウトドアベース、警察署、市役所支所、郵便局など、様々な施設が近隣に立地しています。

かつては加茂湖遊覧航路の待合室として使われていた新潟交通の電車が保存されていましたが、現在は解体されています。

まとめ

両津港は、佐渡島の玄関口として、歴史と現代が融合した活気ある港です。観光、交通、そして地域の生活の中心として、これからも佐渡島の発展に大きく貢献していくでしょう。

もう一度検索