中之庄村

中之庄村（なかのしょうむら）

中之庄村は、かつて愛媛県東予地方の宇摩郡に位置していた村です。北は燧灘に面しており、その名の由来は「中ノ庄」とも書かれ、荘園の名に遡るとされています。

歴史

江戸時代

中之庄村は、江戸時代にその支配が頻繁に変わるという特異な歴史を辿っています。これは、南方の四国山中に発見された別子銅山の運営が大きく影響していたためです。

当初、松山藩の領地でしたが、1636年（寛永13年）に一柳氏の領地となり、1643年（寛永20年）には幕府領、松山藩預かりを経て、宝永元年には西条藩領となりました。これらの変遷は、別子銅山の重要性が増すにつれて、その管理体制が変化していったことを示唆しています。

村の沿革

1889年（明治22年）12月15日、町村制の施行に伴い、中之庄村と具定村の区域を合わせて宇摩郡中之庄村が発足しました。村役場は、大字中之庄に置かれました。

しかし、この村も1944年（昭和19年）4月1日に、三島町、中曽根村、松柏村との合併により、新しい三島町の一部となり、中之庄村としての歴史を閉じました。

中之庄村の系譜

中之庄村の歴史は、周辺地域との複雑な合併・分立の歴史と深く結びついています。以下にその系譜を図示します。


（町村制実施以前の村）　（明治期）　　　　　　　　　（昭和の合併）　（平成の合併）
　　　町村制施行時
　　　　　　　　　あ　　　い　う　　　　　昭和29年11月1日
　　　　三島村━━三島町━┳━┳━━━━┓合併・市制施行
　　　　　　　　　　　　　┃　┃　　　　┣伊予三島市━┓
　　　　中曽根村━━━━━┫　┃　　　　┃　　　　　　┃
中之庄━━━━┓　　　　　　　　　　　┃　┃　　　　┃　　　　　　┃
　　　┣━━━中之庄村━━━━━┫　┃　　　　┃　　　　　　┃
具定　━━━━┛　　　　　　　　　　　┃　┃　　　　┃　　　　　　┃
　　　　松柏村━━━━━━┛　┗松柏村━┫　　　　　　┃
　　　　豊岡村━━━━━━━━━━━━━┫　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　え　　　　┃　　　　　　┃
　　　　寒川村━━━━━━━━寒川町━━┫　　　　　　┃
　　　　金砂村━━━━━━━━━━━━━┫　　　　　　┃
　　　　富郷村━━━━━━━━━━━━━┛　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃平成16年4月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃新設合併
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣四国中央市
　　　　　　　　　　　　　　　　　　川之江市━━━━━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　新宮村━━━━━━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　土居町━━━━━━━━━━┛



凡例
あ – 明治31年11月21日 三島村が町制施行、三島町に
い – 昭和19年4月1日 三島町、中曽根町、中之庄、松柏村が合併し三島町に
う – 昭和25年10月1日 三島町から松柏村が分立
え – 昭和27年6月1日 寒川村が町制施行し寒川町に

（注記）中之庄村以外の合併以前の系譜はそれぞれの市町村の記事を参照のこと。

地域

旧中之庄村は、合併前の2つの村がそのまま大字として継承されました。

中之庄（なかのしょう）
具定（ぐじょう）

これらの大字は、昭和の合併で伊予三島市となっても、また平成の合併により四国中央市となっても、そのまま受け継がれています。

例えば、現在の住所としては「四国中央市中之庄町」のように用いられています。

関連項目

* 愛媛県の廃止市町村一覧

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