中北上

中北上（なかきたかみ）は、岡山県津山市に位置する地域です。この地域の郵便番号は709-4606が割り当てられています。

地理

この地域は、かつて存在した久米町の行政区域において、その西部に位置していました。地域全体は東西方向に比較的長く広がっており、その西側の境界は岡山県と鳥取県の県境に近い真庭市（かつての落合町にあたる区域）に接しています。

河川

地域内にはいくつかの河川が流れ、豊かな自然景観を作り出しています。主な河川としては、岩屋川、久米川、そして明谷川が挙げられます。これらの河川は地域の水資源としても重要な役割を果たしています。

歴史

中北上の歴史は江戸時代初期に遡り、近代以降も複数の自治体合併を経て現在に至ります。

元々この地域は「中北村」という一つの村として存在していましたが、江戸時代前期の1644年に、中北村は南北に分割され、「中北上村」と「中北下村」が成立しました。

明治時代になり、近代的な地方自治制度が整えられる中で、1889年6月1日に町村制が施行されました。この時、当時の久米北条郡に属していた中北上村は、同じ郡内の坪井上村および坪井下村と合併し、新設された「大井西村」の一部となりました。中北上村の範囲は、この大井西村の「大字中北上」として引き継がれます。

続く郡制改革により、1900年4月1日には久米北条郡と久米南条郡が統合され、「久米郡」が発足しました。中北上は大井西村の一部として、久米郡に属する地域となりました。

昭和期に入り、いわゆる「昭和の大合併」が進められる中で、1952年8月1日には大井西村が久米郡内の大東村と合併し、町制を施行して「大井町」が誕生します。

さらにその数年後、1955年1月1日には、大井町が久米郡内の久米村および倭文村と合併しました。これにより、より広域な自治体である「久米町」が誕生し、中北上はその大字として組み入れられました。

そして平成の市町村合併において、2005年2月28日、久米町は隣接する苫田郡加茂町、阿波村、勝田郡勝北町と共に津山市に編入合併されました。これによって、中北上は現在の津山市の一部となり、現在に至っています。

交通

中北上地域は、交通の利便性も有しています。鉄道では、JR西日本の姫新線が地域を通過しており、地域内に「坪井駅」が設置されています。この駅は、地域住民や利用者が鉄道を利用する際の重要なアクセス拠点です。

道路網としては、主要な幹線道路である国道181号線が地域を縦貫しており、広範囲への移動を支える主要なルートとなっています。また、岡山県道339号西一宮中北上線も地域内を通っており、周辺地域との間のアクセスを円滑にしています。

施設

中北上には、住民生活を支える様々な施設や、地域の歴史を伝える場所が存在します。交通拠点であるJR姫新線の坪井駅は、地域のシンボルの一つでもあります。文化・交流の場としては、陶芸体験などができる「久米ふれあい陶芸センター」があります。また、地域の情報拠点として「坪井新聞販売所」があり、郵便サービスを提供する「岩谷簡易郵便局」は住民の生活を支えています。さらに、歴史的な遺構である「岩屋城跡」も残されており、この地域の過去に思いを馳せることができます。

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